アンカリング効果とMacの価格

ものの値段ってすごく難しいなー、なんて時々思いません?
人はどうやってものの価値を決めているかと言えば、”比較”によってです。
人は賢くて、ものをある尺度で測ることを知っていて、文明の利器がなかった遙か昔の人でさえ、長さや重さをはかるために、秤なわや天秤ばかりを作ってできる限り正確にものを計測をしてきたんです。
でも、人の感覚は不思議なもので、絶対的な尺度を持ちあわせていないんです。
例えば冬の寒い日に20度の部屋に入れば暖かく感じるし、夏の暑い日に同じ部屋に入れば涼しく感じる。つまり人はその時々で、比較する対象にあわせて”感覚のものさし”を変化させる、つまり相対的な尺度しか持てないような仕組みになっています。
となると問題は何と比較するかですよね。
グルーポンのレストランのクーポンをゲット。定価1万円のフルコースが50%オフ。こんなに安いのなら失敗してもいいかと行ってみたら、出で来た食事は5000円のもの。それは詐欺だろう、というような話。
格安食事クーポンをネットで購入、調べたらいつもその値段 問題では?
なぜわざわざ定価を掲げて50%オフにするかというと、消費者がこの商品に価値があるかないかを判断するための比較商品を探すのが面倒だろうから、こちらの安くなる前の商品と安くなっている商品を比較してくださいね、というお店側の好意(苦笑)によるものです。それにまんまと人は載せられてしまうわけです。
業界用語でアンカリング効果なんて言われるのですが、最初の価格が錨のように働いて、それが”感覚のものさし”となってしまうんです。
アンカリング効果の有名な実験にこんなのがあります。
「アフリカで国連に加盟している国は65%よりも高いか、それとも低いか?」と聞かれた人が、次に「それでは何%だと思う?」と聞かれて回答した平均は45%。
「アフリカで国連に加盟している国は10%よりも高いか、それとも低いか?」と聞かれた人が、次に「それでは何%だと思う?」と聞かれて回答した平均は25%。
つまり自分がピンと来ない質問に対して、最初に聞いた数字が錨となって、そこに引っ張られてしまうというわけです(ピンと来る場合は自分の持っている知識と比較出来るのでアンカーされないようです)。
なのでお店側としては定価を出して、何割引というのは、消費者にお買い得感を持たせる効果的な戦略(消費者からすれば困った策略)ということなんですね。
さてさて、Macの価格というと定価一本で大変わかりやすい。値引きもなし。比較する対象もないし、その必要もない。強いて比較しようと思えば、MacBook Proの13インチにしようかMacBook Airにしようかぐらいですかね。
PC業界は大変です。メーカーは乱立しているし、値引きはあるし、型落ちはあるし、OSのバージョンもあるし、もう自分なら完全に頭の中パニックだと思います(苦笑)。
MacユーザーはPCユーザーが悩んでいる間にMacをさくっと買って、生産性を上げることに注力すれば良いのだから楽ちんです。
マックメム店長 猪川紀夫
 
プロジェクトN