kyokucho/宮田健の気分はブルースカイ:第46回 グッズだけが一人歩き

気分はブルースカイ

こんにちは、kyokuchoです。

かなり前の話になりますが、ティーン向け流行追っかけ系の雑誌に「ディズニーキャラクターの『マリー』が人気」という記事が載っていてびっくりしました。確かに人気があるようで、Googleで見てもグッズが大量に。このマリーというキャラクター、1970年に公開された「おしゃれキャット」に登場する子猫なのですが、主役じゃないのにここまで人気があるというのはなんか不思議な感じがしました。で、調べてみるとどうやらこのムーブメントは、ファッション雑誌に登場するモデルが、たまたまマリーのグッズをつけていたことから火がついたというお話のようです(スミマセン、時間が無くてちゃんとした情報の出所を見つけられませんでした・・・知ってる人いたら教えてください)。

私が興味深いなー、と思ったのは、日本ではこのおしゃれキャットを見ている人はものすごく少ないだろうなあ、と思うのに、キャラクターは一人歩きして売れてしまうんだという事実。かくいう私も、おしゃれキャットはまだ未見だったりします。どちらかというとこの作品、タイトルソングをモーリス・シュバリエが担当していたり、作中にジャズテイストあふれることでファンには有名だったんですが、キャラクターグッズのみにスポットライトが当たるということが起きるんだなー、ということにディズニーファンは複雑な思いがあるわけです(って見てないヤツが言うなって話もありますが・・・)。

すでに似たような出来事は起こっていて、例えばくまのプーさん。同僚にプーさんファンがいたんですが、私が映画よかったですよね?といったら帰ってきたのは「見たことない・・・」という答え。まあこのときはDVDの発売前でしたんでしょうがないと言えばしょうがないですが、やっぱり悲しい思いをしたことがあります。

問題点としてすぐ挙げられるのは、販売会社が極度の「限定施策」を行っていたことが問題だと思います。たとえば名作「シンデレラ」。この作品は最後に販売されてからもう10年近くになるでしょうか。年末になると発売されるマクドナルドのディズニーカレンダーがありまして、数年前にそのカレンダーの中にシンデレラの絵が入っていました。実はこのマクドナルドのカレンダーには秘密がありまして、翌年度に発売されるビデオの絵が採用されるというのが定説になっていたため、シンデレラのビデオを待ちわびたファンが色めき立ったのですが、なぜか発売されずということがありました。どうもこの辺を含め、ディズニー社はまだ発売されていない「名作」をある意味出し渋っているという事情があります。リリースのタイミングを考えると、シンデレラが一番待たされているものになるのですが、10年間というのはさすがに待たせすぎ。キャラクターやお話に興味を持った子供に作品自体を見せてあげられないのはかわいそうな気がします。

あとは、こういうブームを利用できないディズニー社。こんな千載一遇のチャンスを利用しない手はないんですから、一気にここでおしゃれキャットDVDを売り出せばいいのに、と思います。この辺の柔軟性がないのは、やっぱり日本での発言力が低いんじゃないかと思ってしまいます。

で、このようなお話、実は日本だけではありません。本国アメリカでも、あの「ミッキーマウス」に対する印象というのが「テーマパークやグッズとして出会えるキャラクター」であるという印象「のみ」であるという状態になってしまいました。彼はもはや、銀幕に登場するスターでは無かったのです。このことにはさすがのディズニー社も憂いを感じたそうで、銀幕再デビューとなる場を用意しました。彼が1953年、まだウォルトが生きていた頃に出演した作品「ミッキーの魚釣り」から久々にリリースされた短編「Runaway Brain」は1995年にリリースされ、併映された作品以上に人気が出たということでした(ちなみに日本上映時の邦題は「ミッキーのアルバイトは危機一髪」でした。これもまたトンデモ邦題で・・・)。

ともあれ、この「マリー人気」や「プー人気」を何とか「映画を見る」ということにつなげていかないと、単発のグッズ売り上げで終わってしまうような気がしてなりません。アメリカで公開されたミッキー再登場の作品もすでに10年近く前のお話になってしまっています。できれば、グッズだけではなく、銀幕でディズニーキャラクターの活躍を見たいなあ、と私は思います。今足りないのは、マリーファンやプーファンを「ディズニーファン」にするための努力なんじゃないかなあ。

では!

(kyokucho/宮田 健)

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