遠藤のモバイルガーデン:スミレと墨入れ 植物の名前の由来を考える

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遠藤です。みなさんこんにちは。

先週の「冬の果実の続きの話」のお話は大変たくさん反響をいただき、ありがとうございます。いろいろな例をいただきました。中でもおもしろかったのは、青森県の「バババサミ(婆ハサミ)」というものです。

これはどうやって考えたらいいんでしょうね。今度みなさんにご紹介するときまでに考えておきたいと思います。

前回は植物の呼ばれ方をみなさんと見てきました。「ひっつきむし」などはある植物の名前ではなくて、くっつくタネのグループを指す言葉ですが、一つ一つの植物の名前にもいろいろな由来があります。

 
スミレ

みなさんはスミレはご存じですよね?
 

こんな植物です。林下に咲いているのを見たことがある人も多いのではないでしょうか?

スミレの語源は「墨入れ(スミイレ)」だと言われています。みなさんは大工さんがよく使う墨入れってご存じですか?
 

この写真の左側に墨を入れ、右側に糸(墨糸)を巻きつけた車をつけ、糸を引き出すときに墨糸は墨の中を通るようになっているので、直線を印刷したい加工材に墨糸をまっすぐに張って垂直に軽く弾くと、黒線が材面にたたきつけられて黒い直線が印刷される。という道具です。

この墨入れからスミレになったわけですが、上の2枚の写真ではどこが似ているのか分かりにくいですよね。
 

スミレの花の特徴に花に「距(きょ)」と呼ばれる矢印で示したような突起が花の後ろ側に付いています。そのふくらみにが、墨入れの「墨壺」を連想するからだと思います。

距には何が入っているかというと、墨ではなくて密が入っています。

 
 
ホウチャクソウ

神社を散策すると、塔の四隅に、イヤリングみたいに何かぶら下がっているのを見たことはありませんか?

あ、知ってる。と思われた方も多いと思います。

このベルみたいなものを「宝鐸(ほうちゃく)」といいます。

それをふまえて、次の写真を見てください。

ね、似てるでしょう?

そこで、この植物を「ホウチャクソウ」というのです。

どんな植物の名前にもそのいわれがあります。みなさんが知っているような身近な植物の名前はどんな風にしてつけられたのかを考えるのも楽しいのではないでしょうか?
 
 
 

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