遠藤のモバイルガーデン:タケとササと秋の空

こんにちは、遠藤です。

七夕のササ

学校も終業式を終え、夏休み。それと時を同じくして、梅雨も明けました。 夏本番、いかがお過ごしでしょうか?

もうすぎてしまいましたが、7月の行事として有名なのは七夕ですよね。 大きいところだと、平塚の七夕、仙台の七夕が有名です。

みなさまのお家でもササを飾って、願い事を短冊に託したのでしょうか?

最近では駅やデパートでササを飾ってあって、そのそばに短冊が備え付けてあり、好きなお願いが書けるようになっているところがあります。

今年も、何件かみかけましたが、「彼氏といつまでも仲良くしたい」というほほえましいものから、「ウルトラマンになりたい」なんていうかわいらしいお願いもあり、ササ飾りを眺めるのもおもしろいものです。

ササ飾りの歴史

日本では七夕の行事自体は奈良時代(710-784年)から記録にあるようですが、ササ飾りをするようになったのは江戸時代(1600-1867年)からだと言われていて、ササを飾るようになったのは比較的最近のことのようですね。

歌川広重の書いた「名所江戸百景 市中繁栄七夕祭」(1858年)という版画を見ると当時の町の様子が生き生きと描かれています。

これを見てみると、ササ飾りの高さこそ違うものの、今のササ飾りとそんなに違いはありませんね。

私はこれまで、「ササ飾り」といってきましたが、この広重のササ飾りも、私たちが普通見かけるササ飾りも実は「タケ」でできています。

ササとタケの違いとは

さて、タケとササどこが違うのでしょうか?

みなさんは古くはおにぎりを包んだり、最近では高級な牛肉を買ったりする時に包んでくれる「竹の皮」をご存じですか?

あの竹の皮はタケノコの時についている「葉鞘(ようしょう)」といい、葉の柄が変形したものです。

 

その「竹の皮が」いつまでも桿(茎)についているのが「ササ類」(右の写真参照)、

「竹の皮」が成長とともにはがれて落ちてしまうのが「タケ類」(左の写真参照)です。

これがわかってしまえば、タケとササとを区別するのは簡単ですよね。

広重の版画にはササではなくタケが

もう一度、広重の版画を見てみてください。どの種が使われているのかはわかりませんが、ササではなくて、タケが使われているのがわかると思います。

江戸時代の七夕を考える時に忘れがちなのは、旧暦の7月7日の七夕は秋の行事だと言うことです。俳句でも「天の川」や「星祭り」などともに七夕は秋の季語となっています。

現在の7月7日では、梅雨空で天の川も見えないことが多いですが、旧暦で7月7日はは8月中旬から下旬で、今年は8月15日です。そのころであれば、透明度の高い澄み切った空に天の川もきっとはっきり見えることでしょう。

荒海や佐渡に横たふ天の川 松尾芭蕉(1689年)

8月15日の夜、昔の人の気持ちになって、夜空を見上げてみるのも楽しいと思います。

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