ロッテガーナチョコレートのCM
最近ロッテガーナチョコレートのCMを見ました。
CMのテーマは「チョコのおいしさ、それは口どけ」というもの。
このCMが言うように日本のチョコレートは”おいしい”です、というか正確に言うと”なめらか”です。
一方で、米国のハーシーズのチョコレート。
こちらはは”ばさばさ”している感があります。
ハーシーズはハーシーズの味があるので、一概にまずいと言うのとは違うのですが(ちょっとフォロー)。
化学薬品の製造工程
自分はかつて日本の某化学メーカーに勤務していました。
そこでは生産技術部に所属していたのですが、その中のある部門は薬品の製造工程を研究していました。
その薬品は、ある原料を液体に溶かしたものなのですが、原料の粒子を出来るだけ細かく、かつ均等に溶けている状態であることが求められていました。
薬品の原料を液体と混ぜ合わせるのですが、うまく混ぜないと原料同士がくっついて”だま”になって粒子が大きくなってしまったり、大きさがばらけてしまいます。
大量に薬品を作るには、大きなタンクに原料と液体を入れて、船のスクリューのような攪拌装置でかきまぜるわけですが、適当にかき混ぜれば良いわけではありません。
特定の温度で、特定のスピードで、特定の時間撹拌することで特定の品質の薬品が出来ます。また、撹拌装置の羽の形状や大きさや枚数によっても品質に差が生まれます。
この部分は何年にもわたり研究され、そのメーカーのノウハウとなります。
チョコレートの滑らかさの秘密
さて、チョコレートの製法をざっくり言えば、カカオをミルクや砂糖と混ぜ合わせて固めるというものです。
で、カカオが出来る限り細かく、かつ均等に混ぜることができれば、きれいに溶けて人の舌はなめらかに感じるようになります。逆に、カカオがだまになっているとざらつきを感じます。
化学メーカー同様、ロッテ・明治・森永など大手がそれぞれに製造工程を独自に改良を重ね、年々おいしいチョコレートになってきているのだと思います。
で、一方のハーシー。ハーシーはハーシーなりに研究しているのだと思うのですが、自分の口にはちょっと今ひとつに感じてしまいます。
ハーシーズの”ばさつく感”は、米国人の舌があまり繊細ではないからこの品質で良しとしているのか、それともお菓子なんだから品質はこんなもんで十分だろう的な考えで生産しているのかは定かではありません。
これはこれで企業文化なんだろうなと思います。
学会にチョコレート屋さんも出席
ちなみに、友人の研究所員から聞いた話では、学会には化学薬品を作っているメーカーだけではなく、北海道にある生チョコを製造している企業なども出席されているとのこと。
本当においしいチョコレートを作る企業はその手の学会で情報収集しているのだとか。
おいしいチョコレートは偶然出来ているのではなく、化学薬品同様に緻密に計算されて製造されているわけです。
日本のチョコメーカーは立派です。