ハマると没頭する息子の性格
うちの息子は何かにハマると没頭するタイプ。
小学生低学年の頃は”相撲”にハマりました。学校から帰ると午後3時ごろから6時までNHKの相撲中継をずっと見ているような感じでした。
で、見ながら力士のマネをするのです。公園に行くと、砂場を土俵に見立て、塩のかわりに砂を掴んでパッとまくのがお気に入りでした。
力士それぞれに塩のまきかたが違うのですが、それを解説つきで自分に教えてくれました。
ただマネをするだけでは事たらず「まわしが欲しい」と言い出し、買わされたことがありました。相撲教室に通うわけでもなく、ただ力士になりきるためだけにまわしをつけるという凝りよう。
自分とは全く異なる、このような息子の性格に驚かされました。
野球にハマる
次にハマったのが野球でした。ベイスターズの無料のチケットをもらって横浜スタジアムに行った時に感動したらしく、それ以来息子はベイスターズのファンになりました。
それ以来ベイスターズのTV中継は欠かさず観るようになり、すぐにピッチャーの投球フォームをマネするようになりました。
それから、息子にグラブやバットを買わされ、週末ごとにキャチボールをするようになりました。
スライディングキャッチがしたい
ある時、ベイスターズの選手がスライディングキャッチによるファインプレーをしました。
息子はこれが気に入ったらしく、廊下でスライディングキャッチのマネをするようになりました。
しかしそれでは飽き足らず、実際に外でスライディングキャッチをしたいと言い出したのです。しかし公園のグランドは土なので、スライディングキャッチをしたらかなり痛いはず。
その当時、自分は社会人として大学院に通っていたのですが、その大学には人工芝のグラウンドがありました。そこでなら思う存分スライディングが出来ます。
ただ、大学のグラウンドで小学生とキャッチボールをしてもよいのかよくわかりません。
もし怒られたらやめればいいやと軽い気持ちでキャッチボールに望むことにしました。
大学のグラウンドデビュー
とある日曜日、息子と一緒に大学に出向きました。
練習をしているサッカー部の邪魔をしないように、自分たちはグラウンドの端っこでキャッチーボールをはじめました。
体が温まってくると、息子は軽いフライに対して漫面の笑みでスライディングキャッチを繰り返していました。プロ野球選手のマネをしていることがわかります。
そんなことを30分ぐらいやっていると、グラウンドの脇でこちらをじっと観ている男性に気づきました。年齢は60歳ぐらい、どこかの学部の教授のようでした。
怖い顔でこっちを見ている教授
その教授がしかめっ面でじっとこっちを見ているのです。「小学生を大学のグラウンドで遊ばせるなんてダメ!」と怒られるかもしれないとちょっとびびりました。
ただ今更やめるわけにもいかず、その教授に気づかないフリをしてキャッチボールを続けました。
キャッチボールを続けながら、何気なくその教授は見ると怖い顔をしてこちらを見ているのです。
そしていよいよ、その教授がこちらに近寄って来ました。
いよいよ注意されるのかと身構えていると、
「自分も仲間にいれてくれないかい?」
なんと、書類の入った革のかばんから、彼はグラブを取り出したのです。
怖い顔をしてこっちを見ていたのは、声をかけるかどうか悩んでいたからだったようです(苦笑)。
「どうぞ、どうぞ。一緒にやりましょう。」
と返事をし、自分と息子とその教授が三角形になってボールを投げあうようになりました。
その教授、歳によらず軽いステップで強い球を投げてくることにびっくり。かなりのベテランだと悟りました。一人でグラブを持って、キャッチボールの相手を探すぐらいなのだから当然かもしれません。
で、結局この教授とは30分ぐらいキャッチボールをしてお開きとなりました。
「今日はありがとう。いい運動になったよ。」とその教授は言い残し颯爽と去って行きましたが、息子も自分も合計1時間以上休みなくキャッチボールをしていてへとへとになっていました。
こちらから止めたいと言い出せる雰囲気ではなかったので、教授が満足するまで付き合ってしまったわけです。
結局、それから数日肩や腰が筋肉痛に悩まされることになりました。