遠藤のモバイルガーデン: 明るいほうへ スミレの親心

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5月20日 火曜日

遠藤です。みなさんこんにちは。

私の好きな詩人に「金子みすゞ」さんがいます。
彼女が生まれた山口県先崎ににも、一度出かけたことがあります。(その時のお話は2002年5月5日のモバイルガーデンのコラム「ナツミカンの由来」にも少し書きました。
彼女の詩に「明るいほうへ」という作品があります。

明るいほうへ  金子みすゞ

明るい方へ
明るい方へ

一つの葉でも
陽の洩るとこへ。

やぶかげの草は。

明るい方へ
明るい方へ。

はねはこげよと
灯のあるとこへ。

夜とぶ虫は。

明るい方へ
明るい方へ。

一分もひろく
日のさすとこへ。

都会に住む子らは。

 

解説は、必要ないと思いますが、葉が求めた光は「太陽」。そして、子供達が求めた光は「正義や未来」を表しているのではないでしょうか?

植物は、光合成のために光に効率的に当たる必要があります。そのために、光の当たる方へとその葉を動かします。

このことはみなさんも、ご存じだと思います。

私の家の庭では4月、スミレが咲きました。
 

現在は、このスミレは、果実となっています。
 

上の写真中央の3つに裂けた果実の中にある茶色い円い物が種子です。

スミレの種子はこの裂けた果皮がだんだんと閉じてゆくにしたがってはじかれて遠くに種子を飛ばすようなしくみになっています。

連続写真でちょっと見てみましょうね。
 

このような順序で3列に並んだ種子の真ん中の列から黄色い矢印の方向で押されることによって飛び出します。例えるなら茹でた「枝豆」のさやを押してつるっと飛び出た種子を食べるみたいに、だんだん押されながら種子が飛び出すのです。

庭をあちこち見回すと太陽がまんべんなく当たるところに生えているスミレは

このように、3つに裂けた果実は360度いろいろな方向を向いています。

ところが、

この写真のように写真の後ろ側が暗いときには、3つに裂けた果実はすべて、より明るいこちら側を向いています。

それは、たぶん、自分の子供達により「明るいほう」で生きてほしいというスミレの親心なのかもしれません。
 
 
 

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