kyokucho/宮田健の気分はブルースカイ:第16回 見直してみる。

気分はbluesky

こんにちは、kyokuchoです。前回話題にしたPowerBookのリージョンコードですが、やっぱりリージョン1ということで固定してみました。やっぱり自分の既定路線に落ち着いてしまった結果です。まあ今手元にあるDVDの8割方はリージョン1なので、当たり前といえば当たり前の結果なんですけどね。
 

さて、結局そのリージョンを決定したDVDは日本でも発売されたばかりの「ライオン・キング」。2001年から毎年厳選された1作を選び、デジタルな修復を行った上でDVD化する”プラチナム・コレクション”の、白雪姫、美女と野獣に続く第3弾です。プラチナム・コレクション恒例の追加シーンを加えた「スペシャル・エディション」となり、ブロードウェイの舞台版で追加されたシーンが映画版にも加わっています。
 

以前「見なくていい」と一蹴していた作品なのですが、まあDisney社が1年に一度社運を懸けているシリーズであるので、買っておかないといけないかなーという程度の思いでamazon.comに発注し、USでの発売日に届いたのでひとまず予告だけでも見るか、とPowerBookで再生してみたら・・・自分の中にあった印象とはちょっと異なる内容の映像でちょっとびっくりしてしまいました。
 

この作品、いわずとしれたアフリカのサバンナが舞台なのですが、オープニングのタイトルバックまでのシーケンスは、ディズニー映画史上でも五指に入る素晴らしい内容となっています。わずか数秒のシーンでも広大なサバンナを表すための工夫があり、大自然の厳しさ、動物たちの姿がリアルに映し出されているのを見て、これはスゴイ、と素直にうなってしまったわけです・・・以前「見なくていい」と言い放ったことをすっかり忘れて。特に、ストーリーの合間に描かれるサバンナの風景。雷鳴とどろく平原にたたずむバオバブの木、ふと降り出した雨が流れるシーン、ブロードウェイ版でも象徴的に使われていた朝日の昇るシーンは鳥肌が立つほど。この作品の主人公たちは他のディズニー映画と同様、擬人化された動物ではあるのですが、この作品のポイントはそうではない、ありのままの自然に溶け込んでいる動物たち、そしてそれを見守る自然の姿にあるのではないかと思います。ディズニー映画のDVDで「英語字幕が邪魔だ」と感じたのは初めてでした。
 

この映画版、ライオン・キングですが、すでに公開から約10年の月日が経っているのですね。10年一昔という言葉を信じれば、印象が変わるのも当たり前ではあるでしょう。それは作品の質が変わったのではなく、多分自分自身の考え方が10年で変わってきたんだな、と感慨深い気分になってしまいました。実は前回のコラムを書くに当たって、「ディズニー映画は面白いか?」という原稿を書いて、ボツにしておりました。内容は、ディズニー映画ははっきりいうと前時代的な表現だしストーリーも単純、今風の映画を見ている子供たちにはつまらない作品としか映らないんじゃないか、という内容でした。自分なりに書いたつもりがあまりうまくまとまらずにお蔵入りにしたのですが、それは正解だったなあ、と今では思っています。最初に見たのがずいぶんと前で、その後数年見ていない作品ばかり(まあ、これは「シンデレラ」のように人気があるにもかかわらず再発売されないという作品が多いってのも理由の一つですが)なので、今一度作品を見てみたらきっとどれも素晴らしい部分を再発見できるんじゃないかと思います。確かにこのライオン・キング、以前見たときと全く同じ「悪い」印象である部分、たとえばラスト近くのシンバとスカーの対決シーンの稚拙な表現(スローモーションはないだろう・・・)なども残っています。って同じ作品だから残ってるのは当たり前ですけどね。
 

この作品、映像を楽しむという意味では素直にお勧めできるものに昇格しました。DVDの内容としてもかなり充実したものとなっていますので、興味のある方、いや、ない方もぜひチェックしてみてください。ただ、やっぱり劇団四季の公演がこの物語の完成形だと思いますので、ミュージカルが嫌いな方もぜひ一度見に行ってみてはいかがでしょうか。非常にいいできのDVDでひとまず満足。来年10月全世界で発売予定のプラチナム・エディション作品第4弾「アラジン」も楽しみになってきました。
 

ということで、ご自宅にディズニー作品のビデオがある方は、もう一度引っ張り出して鑑賞してみてはいかがでしょうか。作品の素晴らしさと、自分の考え方の変化に気づくかもしれませんよ。
 

では! 
(kyokucho/宮田 健)
 

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