kyokucho/宮田健の気分はブルースカイ:第63回 「のろい」のディズニーDVD

気分はブルースカイ

こんにちは、kyokuchoです。

さて、ちまたではビッグタイトル「スター・ウォーズ」がとうとうDVD化されて、眠れない夜を迎えているファンも多いかと思います。スター・ウォーズといえば、バック・トゥ・ザ・フューチャー、インディ・ジョーンズと並びDVD化が待たれていた作品群の最後発だっただけに、ファンもこの日を指折り数えていたことでしょう。今でこそDVD化は「待っていればふつうに」行われるものかと思いますが、ディズニー作品もDVD化までには(そしてその後も)イバラの道だったのです。

実はディズニー社はDVD参入企業としてはかなり遅め。そしてその中でもいわゆる「ディズニー長編アニメーション」のDVD化は社内でも議論があったのか、さらに遅れて1999年の10月あたりになります。当時、DVDのようにデジタル圧縮画像はアニメーションには向いていないとされ、そのころ日本で出ていたアニメ作品DVDは確かにひどいノイズが乗ってしまっていたので、ディズニーの判断も間違ってはいなかったのではないかと思います。このときのラインナップが9作品ほどだったのですが、これらは特典映像もなく、ビデオをDVDに置き換えただけという程度の「とりあえずDVD化」といったもので、しかも恐ろしいことに「発売後60日間限定」という縛り付きだったことを覚えています。こんなことがまかり通るのはディズニーしかいません(笑)。それに、当初の予想通りこれらのファーストリリースの作品の画質は非常に悪いものでした。

しかしその後、ディズニーは大きな転換を図ることになります。実は先の「60日間限定」的セールスはDVDに限ったことではなく、過去のビデオリリースでも極端なほどの期間限定発売という形態でのリリースとなっていたのですが、「常に10作品程度を入れ替え、いずれかのディズニー作品が棚に置かれている」という状態へと方針を変更しました(しかも最初の作品群が登場して60日たたないうちに(笑))。おそらく、市場のDVD動向と自社のもくろみが食い違っていたのでしょう。その後はアイズナー体制が自分の任期のうちにすべての資産をはき出して利益を確保にいったのではないかと思うくらいのリリースラッシュ。日本では見ることができないと思っていた長編アニメーション作品までDVD化されていくという、ファンにとっては本当にうれしいリリース状況となりました。ただ、それが一段落したころ、明らかに「出てないとおかしい」長編作品が欠けていることに気づくのです。

そして、それが補完される計画が発表されたのが2001年10月にリリースされた「白雪姫」のプラチナ・エディションでした。この発表時に「ディズニーは残りの作品を、1つづつ丹念にDVD化し、1年ごとにリリースする」という計画であることを明らかにしたんですが、この時点でDVD化されていなかったのは約10作品ほど。つまり下手すると10年もDVD化されない作品が出てきてしまうということです。これにはファンはがっかりしつつも、その後に登場したプラチナ・エディションの「白雪姫」、「美女と野獣」、「ライオン・キング」のDVDのデキをみるにつれ、これなら許せるかも、と思うのでありました。そこには最初のリリース時の「とりあえずDVD化」のような姿ではなかったことは、いずれかの作品を手に入れてるあなたならばわかってくれるはず。

で、今後のリリースなのですが、ファンにとってはスター・ウォーズ並みに待たされた作品群が未だDVD化されていません。その一つが「アラジン」。これはとうとう来月夢が叶いますが、なんと最後の大物、バンビもアメリカでは来年3月にリリースされるというニュースが入ってきました。あと有名どころでDVD未リリースなのは「シンデレラ」くらいでしょうか。これらをコンプリートすればDVDプレイヤーがある限り、ウォルトの創り出した作品たちがいつでも見られるという、ディズニーファンにとっては夢のような状況になるわけです。特に、自社の資産の切り売りとなると考えたロイ・ディズニー氏も最後までDVD化を渋ったといわれる「白雪姫」と「ファンタジア」のDVDは、私にとっては宝物。

ただ、心配事が一つ。ディズニーが当初いっていた「10年かけて」という公約も実際のところは前倒しになっていてうれしいはうれしいんですが、私としては「一度通ってきた道」だったりするんですよね。以前通ったのは「LD」という道なんですが。何となくディズニーは次の有力ハードが出そろうのを待って、それが出てきた瞬間にまた「60日間限定!」なんてやられてしまったらそっちも買わないといけないような気がしてならないんです。DVDの画質も当分の間はこれで満足できるだろう、と思っていましたが、最近発売されているプラズマとか液晶の大画面見ると、DVD画質って(大画面では)そんなにきれいじゃないんですよね・・・あ、なんかこんなこと考えてると本当に怖くなってきたのでこの辺でやめておこうっと。こんなことだからマニア&コレクターな人は困るわけです。あーやだやだ(笑)


では!
(kyokucho/宮田 健)

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