kyokucho/宮田健の気分はブルースカイ:第40回 夢が叶う時計屋さん

気分はブルースカイ

こんにちは、kyokuchoです。

ディズニーランドというのは非現実的な場所。その中にはいろいろなお店があります。もちろん、パーク内はすべてWalt Disney社が(日本ではオリエンタルランド社が)経営してるのですが、なかなかどうしてそれぞれの店には個性と存在感、そして非現実感が同居した不思議な雰囲気を持っているのが特徴です。それは、単なるおみやげ屋としての存在ではなく、そこに誰かが住んでいるという錯覚を起こすような、一つの街がそこにあるかのような存在感。今回はdpost.jpの読者から届いた、そんな街の時計屋さんの出来事を。

ディズニーのテーマパークのうち、ロスにあるオリジナルのDisneyland、およびそれのコピーとなるフロリダのMagic Kingdomや東京ディズニーランドには、エントランスからパークの中心となるキャッスルまでの間にメインストリートがあり、その両脇がお店になっていて街の雰囲気を作っています。ここには時計屋さんがありまして、いわゆるディズニーキャラクターの時計などが多数置いてあります。ロスとフロリダの時計屋さんには片隅にアーティストの作業場があり、大量のイラストが入っているバインダーが置いてあるんですが、実はこれ、バインダーから選んだキャラクターに好きな言葉を添えて、世界に一つしかない時計を作ってくれるというサービスがあるんです。これには実際にアーティストが書いた元絵と時計が額にはいって渡されるため、スペシャルなグッズが欲しい人にはもってこいの一品。私もフロリダに住んでいたときには現地で見たリロ&スティッチの時計を買おうかどうか真剣に悩んだものです。聞いたところ、「もうすぐラインナップにはいると思うよ」と言われたものの、間に合わずに帰国してしまってちょっと残念だったんですが、これについてちょっと踏み込んだ人のレポートが届いたのです。

そこに置いてあるバインダーはキャラクターが満載で、それを見ているだけでも本当に楽しい一品です(それ自体は売り物じゃないけど)。ミッキーやドナルドなどのメジャーなキャラクターはイラストだけでも10以上あったりしますが、映画のサブキャラクターとかになると1枚あればいいほう。それに映画自体がマイナーだったりすると全滅な作品もあります。で、レポートをくださった方のお子さんが大ファンだったキャラクターは名探偵の「バジル」。安心してください、私もパッとは分かりませんでした(笑)。これは1986年に公開された「オリビアちゃんの大冒険」に出てくるキャラクターです(以前ちょっとだけ話題にしました)。そのバインダーはかなりの厚さがあるのですが、残念ながらこのキャラクターはそこにはいなかったそうです。

で、その方はどんなことをしたのかというと、そのバジルの絵を切り抜いてお店の人に見せ、これが欲しいと身振り手振りで伝えたそうです。ややこしい話ではありますので、近くから日本語の分かるキャストを呼んでもらってその思いを伝えたところ、なんと「今は描けるアーティストがいないから無理だけど、6週間待ってくれれば、作って送ってあげる」と言ってくれたそうです。しかも、値段は通常のものと全く同じ(当然送料はかかりますが)。そして、ちょっと遅れましたが無事8週間後に希望通りの時計が贈られてきたそうです。実際に送られてきたその時計の原画を見せてもらいましたが、キャラクターの味が出ているすてきな作品になっていました。

この話を聞いてやっぱりディズニーのテーマパークがすごい、と思ったのは、ゲストの希望に最大限に努力して対応するという行動力だと思います。普通にマニュアル的な対応をしてしまうと、バインダーにないものはあきらめてください、という対応になる可能性が高いのに、しっかりと作ってくれたと言うことに感動してしまいました。この辺の行動力を見る限り、まだまだディズニーの力(その場所にとっては「魔法」に近いかも)は健在だと思います。その力の源になっている、キャストの信念は「ゲストの夢を壊さない」。夢と魔法の王国では、強く信じれば何でもかなうってことを、ビジネスとして出来る限り実現しているという姿はサービス業に携わるもの(社会人は多少はあれみなサービス業でしょうし)としては見習うべき点じゃないかな、と思いました。

その時計を手にしたお子さんが体験できた今回の記憶は、きっとその次の世代にも引き継がれていくんだろうなあ、ということを考えると、ディズニーのテーマパークは永遠に今の姿のまま残していきたいものです。こういう話を聞くたびに、パークに遊びに行きたいなあ、と思いますね。オーランド旅行が楽しみです:-)

では!

(kyokucho/宮田 健)

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