遠藤です。みなさんこんにちは。
八百屋さんに行ったら今年のレンコンの出荷が始まったと聞きました。
レンコンはみなさんご存知だと思いますが、レンコンはどんな花を咲かせると思いますか?
答えをおみせする前にお手元のMacで「れんこん」と入力して漢字に変換してみてください。
「蓮根」と変換されて出てきましたか?
そうですね、答えは「蓮(ハス)の根」(植物学的には根ではなく、茎ですが)がレンコンなのです。
これは、今年、私の庭にある小さな池に咲いたレンコンの花(ハスの花)です。
レンコンは沼地に生えるため空気を取り入れるためにたくさんの穴があいています。
穴があいているのは、レンコンの地下茎だけではなくてレンコンの葉の葉柄にも穴があいています。
そこで、レンコンの葉柄を輪切りにしてみました。
矢印の部分が空洞になっていることがわかると思います。
レンコンの穴はどこまで繋がっているのかというと、葉柄を通って、葉の表面の赤い矢印の所まで繋がっています。ですから、朝露のついた葉の葉柄を切り取って、切り口から息を吹き込むと、赤い矢印の部分から空気の泡が露の水滴の中に出るのがわかると思います。
このすばらしい通気性は空気を得ることができにくい沼地で生きてゆく知恵なのだと思います。
レンコンを料理したり、食べたりするとき、レンコンをよく見ると必ず矢印のような小さな穴が2つあいているはずです。
実は、この小さな2つの穴がある方がもともと上(水面側)になって生えていたのです。
レンコンを食べるときにどっちが上(水面側)だったかを調べてみてください。
レンコンの花、葉、茎を見てきましたので、最後にレンコンの果実、つまりハスの果実はどんな風になっているのかを見てみましょう。レンコンの果実は次の写真のように肥大化した花床(花枝の先端部分)の中に埋もれています。
ところで、これ、なにかに似ていると思いませんか?
そう、蜂の巣みたいですよね。
ハスは昔は、ハチス(蜂巣)と呼ばれていたのです。
今回のコラムでは「ハチの巣」の中に入っている物を「果実」としてご紹介しました。文献によっては、ハチの巣全体を「果実」として扱い、その中の物は「種子」であるという意見もあるようです。私が観察した限りでは、理由については難しくなるので触れませんが、今回のコラムの内容が正しいと思います。