遠藤のモバイルガーデン:同じ向きで落ちるサクラの謎 春風に教えてもらった秘密

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みなさんこんにちは、遠藤です。


前回、鳥に蜜を吸われたサクラの花が落ちていた話をしました。

はらはらと花びらが散るのが普通のサクラなのに、花ごと落ちている姿はちょっと異様ですね。

しかし、一度、鳥が花をついばむことがあるという知識を知った目で見直してみると、結構どこでも見られることのようです。

私も各地で鳥が落としたサクラの花を見かけました。みなさんの中でも目にされた方は多いのではないでしょうか?

余りによく目につくので、これは辞書に挟んだら押し花にちょうどいいと思い、サクラの花を拾っていたら、ふとあることに気がつきました。

「サクラの花はなんでいつも萼(ガク)を上向きにして落ちているんだろう?」

落ちている場所、どこを見てもサクラの花は萼(ガク)を上にして落ちているのです。

(青い矢印は萼(ガク)赤い矢印は萼を下にして落ちているサクラの花)

これは私がわざと萼(ガク)を上にして置いたわけではなく、みな自然に萼(ガク)が上になるのです。

しかし、更によく見てみると、これは地面に落ちたサクラの花だけで、生け垣のような所に落ちたサクラの花は

このように萼(ガク)を下にして落ちている花が多いのです。

普通にサクラの花を観察して考えると、空気抵抗からいっても萼(ガク)の部分を下にして=サクラの花びらを上にして落ちるのが普通だと思いました。皆さんもそうお思いになるのではないのでしょうか?


そこで、実験して確かめることにしました。落ちていたサクラの花を拾い集めて投げてみることにしたのです。

さあ、結果はどうなったでしょう。

私が落としたサクラの花はほとんどが萼(ガク)を下にして落ちるではありませんか。これは、何回やっても同じ結果でした。

それでは、今まで見てきた萼(ガク)を上にして落ちたサクラの花は単に偶然だったのでしょうか、それとも、、、、

萼(ガク)を下にして落ちた、私の投げたサクラの花を前にして考えあぐねていると、どこからか春特有のすこし強い風が私の背後から吹き抜けました。

「あっ!」

その瞬間、今まで萼(ガク)を下にして落ちたサクラの花は見事にくるっと回転して萼(ガク)を上にしているではありませんか。

これで、謎が解けました。鳥に落とされたサクラの花は落ちるときには空気抵抗の問題から萼(ガク)を下向きにしていったんは落ちますが、一度落ちると、今度は横風にさらされるため、横風に対してより空気抵抗の少ない形、すなわち萼(ガク)を上にして安定するのです。

鳥に落とされたサクラの花でも観察するとおもしろい発見がありますね。学校や、会社に行く途中でちょっと足を止めて観察してみてはいかがでしょうか。
 
 
 

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