ジョブスとコロンブスの卵とNewerと

小川 浩氏がアゴラにて、スティーブ・ジョブズCEOを辞任についての記事を書いていた。

コロンブスがアメリカ大陸に上陸した時に誰でもできると非難されたそうだが、ジョブスのしたことも言われてみれば、コロンブスと同じかもしれない。

アップルが新しい技術を開発したわけではなく、すでにある技術や製品を推し進めただけだったと言うことが出来る。iPhoneのようなスマホのコンセプトはあったし、iPadのようなタブレットもすでにあったわけだし。でも世の中、人に自分のコンセプトとかビジョンを理解してもらうことがいかに難しいか。ジョブスのあくの強いカリスマ性がなければとても出来ないはずだ。

その強引さはUSBから始まった。おにぎり型のボンダイiMacからフロッピードライブを取り外し、それまで標準だったADBをやめてUSBを採用したことにユーザーから非難囂々だった。でもそれをやっちゃったところがジョブスならでは。だって誰もジョブスに面と向かって文句を言える奴なんていなかったわけだし。

このUSBの採用に対して、自分がいたNewer Technologyでも一悶着合った。ジョブスがアップルの周辺機器屋の社長を呼びつけて「USB接続の機器を至急開発するように」とお達しを出したわけなのだが、Newerの社長も光栄なこと?にそのグループに含まれたいた。ジョブスに直接声をかけられた社長は喜々としてUSBの周辺機器開発に乗り出したが、USBと全く関係のないアップグレードカード会社がUSBの開発にトライしてもうまくいかないのは当然のこと。その当時USBのドライバーさえなかったのだからゼロからの開発なので大変なわけなのだが。でも、結局色々なメーカーからUSBのフロッピードライブやら、カードリーダーやらが登場してきて、USBは見事にアップルの標準となった。

さてこういうことが行儀の良いビジネスマンのCEOに出来るのかどうか。お手並み拝見というところです。

こんなUSB機器をNewerは作ってました(苦笑)

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