多くのPCユーザーは、PCが好きだから・Macが嫌いだから乗り換えないということではない。その1

Macを感じる感覚は意外とテキトーって知っています?で書いたの特徴の3つ目「マイナスの変化には敏感だが、プラスの変化には鈍感」についてを説明したい。
 
古いMacから新しいMacに乗り換えても、それほど速いとは感じないが、新しいMacから古いMacを使ってみるとすごく遅く感じるという感覚を持っている。人はマイナスの変化を過剰に評価する生き物なのだ。
 
これは私の勝手な想像だが、PCユーザーはPCが使いづらいと嘆いているにも関わらず、トラブルの少ないMacに乗り換えないのは、Macの使い勝手の良さによる生産性アップというメリットよりも、操作を覚えたりソフトを買い直したりと乗り換える手間から来るデメリットを避けたいと考えるためではないか。また、携帯ユーザーがiPhoneに乗り換えないという場合も同様の判断をしているものと思われる。
 
この関係の研究でノーベル経済学賞をとったカーネマンによると、人はメリットよりもデメリットを2〜2.5倍重く見る傾向があるということを発表している。言い換えると、「PCからMacへ、または携帯からiPhoneに乗り換えるためには、現状のPCや携帯よりもMacやiPhoneが2〜2.5倍ぐらい使い勝手が向上すると見込めなければ乗り換えない」と言うことだ。
 
iPhoneの販売前は自分の意識の中には携帯会社をSoftbankにするという思いは全く無かった。Softbankは音質が悪いとかつながりづらいというのは有名だったから、auかdocomoにするのが妥当だった。
 
ところがiPhoneの販売で事情がかかわった。iPhoneを使うためなら、Softbankだって構わないと思ったのだ。つまり自分にとってはiPhoneの魅力はSoftbankのダメさを2.5倍を上回る価値があると判断したわけだ(たぶん100倍以上価値があると思ったはず)。
 
そうゆう魅力薄のSoftbankがユーザーを取り込むために、魅力的なiPhoneに目をつけ、アップルのいいなりになるというリスクを犯しても販売に踏み切ったSoftbankの戦略はさすがだと思う。(一方でauはNew iPadについて販売時期を判断できないでいるのはリスクを犯す必要がない立場だからなのだろう。)

その2に続く

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