レトロ車ブーム、一方パソコンは
自動車業界では、旧車が人気なのだとか。確かにレトロな車に惹かれるものがあります。
一方でパソコン業界でレトロなパソコンの価値はほとんどありません。
なぜかというと、自動車であれば基本性能(最高速度等)はレトロ車でも現在の自動車でもほぼかわりませんが、パソコンは年々性能が倍々になってしまうからです。
自動車で言えば、レトロな車も現代の車も最高速度が100km〜150/時とそれほどかわりはありません。実際にはもっとスピードの出る自動車はありますが実用速度としてはこの程度で十分です。
しかし一方でコンピュータはというと、現在の最高速度が100km/時だとしたら来年に200km/時、その翌年には400km/時になるような話なので、数年前のマシンは遅くて高速道路に乗れませんというようなものです。
よって、昔の素晴らしいデザインのMacを使いたくても使えないのが残念だなと感じる次第です。
初期のアップルのデザインは秀逸でした。特にフロッグデザインが担当したデザインはシンプルでありながらスマートな美しさがありました。
フロッグデザインのApple IIc
アップルの最初のフロッグデザインは1984年に発売されたApple IIc。
まーApple IIcの美しいこと、美しいこと。Apple IIeもかっこよかったですが、Apple IIcは持ち運べるぐらい薄くてコンパクトだったです。近所のアップルを取り扱うショップでデモ機を触るのがすごく楽しかったです。
ちなみに1984年はMacintoshが発売された年です。なので、初代のMacintoshはフロッグデザイン社のデザインではありませんでした。最初に携わったMacは1987年のSEということになります。
Apple IIeとの出会い
話はちょっと脱線しますが、自分は1984年、米国留学時代にApple IIeに出会いました。大学のレポートのほとんどを大学のコンピュータ室のApple IIeで書きました。
米国の大学ではレポートは手書きが許されず、必ず印字したものでなくてはいけません。ですので、その当時多くの学生はタイプライターを使用していました。ただ、タイプライターというのはミスタイプをすると修正がすごく大変なのです。
Apple Worksでレポートを書く
そのためタイピングに不慣れな自分は、タイプライターを使わずにApple Worksのワープロ機能を使っていました。今で言うPagesです。これであれば文章の追加、修正、入れ替えなんでも出来ましたから大変便利でした。
その当時のApple Worksは上のように5インチのフロッピーベースです。HDDなんてありませんから、インストールなんて出来ません。常にこの5インチのディスクを持ってコンピュータ室に行って、フロッピードライブに入れて、ガチャガチャと読み込ませてから、レポートのタイピング開始です。
その当時のAppleのOSはGUIではありませんでしが、すでにGUIのような感じを出していました。ここではフォルダーが複数並んでいてMain Menuから階層化している様に見せています。
またすでにApple IIeにコマンドキー(正確にはアップルキー)があって、アップルキー+英字でショートカットが出来る仕様になっていました。コピペが出来たかどうか定かではないのですが、アップルキー+Sで保存、アップルキー+Pで印字をしていたことは覚えています。
Apple IIcは高嶺の花
話がそれましたが、自分のApple IIが欲しいと思っていたところにIIcがリリースされたのでした。Apple IIcの価格は約1200ドルで、当時の為替レートにして20万円以上、現在の価値なら40万円ぐらいでした。ですから、貧乏学生にはいくら欲しくても高値の花で手が出ませんでした。
レトロなMac:Frog Designその2に続きます。