医療崩壊の理由に納得がいった
医療崩壊について、以下のテレ東のレポートが大変勉強になりました。
日本の医療体制はすぐれているのに、なぜコロナで医療体制が崩壊した理由・病床数が足りない理由などがよく理解でした。
自分のような医療の素人にもわかるような解説が素晴らしかったです。
自分の経験した米国の医療体制
上記動画の内容を踏まえて、自分が経験した米国の医療体制についてお話をしようと思います。ただし、これは自分の経験上の話なので、米国全体がそうなのか、自分のまわりだけがそうだったのかはよくわかりませんので、ご承知ください。
自分が長らく住んでいたのはカンザス州ウィチタという人口38万人の町です。中西部の田舎町の中にしては比較的大きいところです。
自分の住んでいた地域に大小いくつかの病院がありましたが、全ての病院に行けるわけではありません。自分が行ける病院は健康保険が指定する病院のみとなります。
米国では日本とは異なり、健康保険は民間によるもので、日本の健康保険よりも比較的高額です。健康保険に種類があり、支払う保険料により保険が適用される診療とそうでないものがあります。保険料が高ければ保険の適用範囲が広くなり、保険料が安ければ適用される診療が減ることになります。
妻が肺炎で入院
かつて妻が肺炎にかかったことがあります。この時、大学病院に3泊したのですが、支払った費用は約30万円でした。
入院する前に、自分の保険ではこの医療行為は保険が効くがこの部分は保険が効かない、この薬は保険が効くが、この薬は保険が効かない、と事細かく説明され、書類にサインをさせられて、かつクレジットカードの番号を控えられました。
退院時に明細が出てくるのですが、正直なところ、どの部分に保険が適用されて、どの部分に適用されなかったのか、複雑すぎてよくわかりませんでした(苦笑)。
ちなみに妻の入院した部屋はきれいな個室でちょっとしたホテルのようでした。食事も3食それなりに豪華なものが出てました。
娘のノロウイルスによる診察
娘が3歳時、夜分にノロウイルスにかかりました。症状としては発熱と2時間おきの嘔吐でした。夜中に寝ていても突然嘔吐が始まるのでかわいそうでした。
こういう場合は日本なら救急病院などに連れていきますが、米国では(保険会社が指定した)子供のかかりつけのドクターに見てもらうことが一般的です。
なので、夜間に嘔吐しては眠り、嘔吐しては眠りを繰り返す娘を見ているだけで何もできず、病院が開くまで待つしかありませんでした。
よく朝、やっとのことで娘を病院につれていき、診察した先生の最初の質問が「何日前から嘔吐していますか?」でした。
自分はこの質問に少々驚きました。子供が2時間おきに嘔吐している状態なのに2日も3日も放っておくわけないだろうと。
しかし、この質問をするということは、子供が2時間おきに嘔吐している状態でも、保険の問題で病院に連れてこられない、出来ることなら病院にいかないで治ってほしいと2日とか3日自宅でねばる親がいるということです。
皆保険がない米国の暗部を感じた時でした。
日本の病院が多いのはありがたい
上記の動画にあるように、日本には小さな病院が多くあります。いざとなれば駆け込める病院がいくつもあるというのは精神的にすごく助かります。小さい子供がいる家庭ではなおさらだと思います。
これは日本の病院制度の良い面でもあります。
将来的に統廃合は必要なのかもしれませんが、地域毎に町医者がいて欲しいなとは思います。
一方でコロナのパンデミックのように、受け入れる病院がなくて自宅で亡くなられる人がいる状態が良いわけがありません。
現在コロナが収束しつつありますが、将来別のウィルスのパンデミックが起きる可能性もあるわけですから、うまい医療体制が整ってくれれば良いなと思います。