ボイジャーの超長距離通信技術
ラジオ技術の6月号でボイジャーに学ぶ超長距離ディジタル無線という特集がありました。
内容が気になったので、ぐぐってみたのですが詳細や概要がみつからず、かわりにWIREDの記事がみつかりました。
その記事を要約すると
- ボイジャー1号とボイジャー2号は1977年に打ち上げられた
- ボイジャー各機が搭載するコンピューターのメモリーは、わずか69.63KB
- 送信するデータはデジタル・テープレコーダーを使って符号化している
- データを地球に送信したら、データを上書きしないと、新しい観測データを記録できない。
- ボイジャーは1秒間にわずか160ビットのデータを地球に送信することができる。
- ボイジャー1号の送信機は出力22.4ワット(冷蔵庫の電球と同程度)
- その信号は地球到着時に1ワットの10億分の10億分の0.1ほどになっている。
宇宙空間では電波は吸収や散乱でエネルギーが失われることがないので、どこまでも広がっていくということでした。ですので、22ワット程度の電波でも何億kmも届くというのです。
Deep Space Network Now
そんな中、Deep Space Network NowというNASAのサイトを見つけました。
これはゴールドストーン(米国)・マドリッド(スペイン)・キャンベラ(オーストラリア)3つのパラボラアンテナが宇宙にいる探査機とどのように通信しているかを見ることが出来るサイトです。
アクセスした時ははやぶさ2と通信が終わったところでした。
この情報によると、はやぶさ2との距離は2億6千万キロ、往復にかかる通信時間が29分となっています。
米国の14番のアンテナをクリックするとNew Horizonsとの通信中でした。
New Horizonsは冥王星を観測するための探査機で、現在は観測が終了して太陽圏外縁天体を観測するために地球からさらに遠ざかっているようです。
このようにアンテナをクリックすると、通信相手や通信速度が表示されるので興味深いです。
話は脱線しますが、Deep Space Network Nowを見ていたら新海誠監督作品の「秒速5cm」に出てくる探査機を思い出しました。
まとめ
- 超長距離通信(LPWD)は少量の信号を低速で通信する技術
- ボイジャーとの通信は現在も行われている
- Deep Spase Network Nowにて探査機と現在行われている通信状況を知ることが出来る