遠藤のモバイルガーデン:赤くなる秘密 御嶽山での赤と黄色の紅葉

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遠藤です。みなさんこんにちは。

遠藤です。みなさんこんにちは。
今年ももう12月。残り1ヶ月となりました。
みなさんはいかがお過ごしですか?

前回、予告したように今回は、なぜ赤くなるはずの葉なのに、黄色のまま成熟してしまう物もあるのかについて考えてみたいと思います。

ちなみに前回の記事は以下にありますので、読んでない方はぜひ読んでみてください。


 
紅葉のしくみを簡単に説明してみたいと思います。インターネットを検索するとたくさんの説明がありますが、主人公は
 
・アントシアン(赤)
・クロロフィル(緑)
・カロチノイド(黄)
 
この3つの色素です。
 
元々植物の葉にはクロロフィルとカロチノイドが存在しています。普段、黄色に見えないのはクロロフィルがあるため、

緑色+黄色=黄緑色
 
のような足し算で、緑の葉に見えるわけです。
 
黄色の紅葉(黄葉)は
 
クロロフィル(緑)が分解することによって
  
黄緑色(夏の葉の色)−緑色=黄色
 
と言うように黄色になります。
 
では、赤い紅葉はどのようになっているかというと
 
黄緑色(夏の葉の色)−緑色+赤色=赤色
 
と言うようになります。
赤い紅葉でも黄色は残っているのですが、赤色が濃くなるために相対的に黄色は薄くなって、あの赤い紅葉となります。
 
では、赤色のアントシアンはどのような条件できるのでしょうか?
 
御嶽山での紅葉の観察から考えてみましょう
 

このカエデはタカオカエデといいますが、このカエデでは木の外が赤くなっているのがわかると思います。

どうして外側だけが赤くなるのでしょう?
もう少し観察してみました。
 

これはウツギという植物の紅葉ですが、手前の葉を1枚はいでみると・・・
  

どうですか?葉を取ってみると、取った葉に隠れていた部分はまだ緑色のままです。

この、木全体についてと、葉1枚1枚についての観察をまとめると

1)1つの木の中でも光が当たる外側の方が赤くなる。
2)1枚の葉でも、光がよく当たる部分だけが赤くなる

ということがいえそうですね。
葉が赤くなるには「日光」、さらにもしかすると「温度」が関係しているかもしれませんね。

調べてみると葉の中の糖分がアミノ酸などと化合してアントシアン(赤)となるようです。強い日光にさらされると糖がたくさんできるためにアントシアン(赤)もたくさんでき、紅葉の赤もより鮮やかになるというわけです。

もっときれいに染め分けができている葉を見つけました。
 

この植物もウツギですが、この重なった葉をちょっとずらしてみると・・・
 

このように、前の葉のギザギザ(鋸歯と言います)の部分まで写し取られているのがわかります。きれいですね。
 
紅葉というと、1枚の葉は同じように染まるのだと思っていたのですが、日光や糖分の条件など、いろいろな条件によって黄色のままだったり赤がより鮮やかになったり色が変わったりするようですね。
  
紅葉という誰でも知っていることでもよく観察してみると、いろいろな驚きがあると思います。是非、本を見たりするだけではなく実物を通して植物を観察してみてほしいと思います。
 
図鑑に載っている写真を虫眼鏡でよく見ても、印刷の網点が見えるだけですが、実物の植物をよく見ると、表皮が見えたり、毛が見えたり、時には細胞も肉眼で見えることもあります。

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