遠藤のモバイルガーデン:お正月の植物 ウラジロの葉1枚はどこまで?

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遠藤です。みなさんこんにちは。

お正月はみなさんはどのように過ごされましたでしょうか?今年はカレンダー的にうまく土日が挟まれたので12月28日から1月5日までの9連休なんていう方も多かったのではないでしょうか?

おやすみが多いと、じゃあ、初詣は遠出してみようとか、お正月の飾りもちゃんとやって見ようなんて思われたかたも多いと思います。

みなさんのお家では鏡餅は飾られましたか?

私のうちでは小さな鏡餅を各部屋に飾りました。これは私の部屋の鏡餅です。

スケールがないのでわかりにくいですが、高さ10cmくらいのとてもかわいい鏡餅です。

鏡餅の下に引いてある葉の縁がつるんとしているのは「ユズリハ」という植物です。

カエデなどは古い葉が落ちてから新しい葉が芽生えてきますが、ユズリハは新しい葉ができてから古い葉が落ちることから、〈譲り葉〉といい〈子が成長した後,親が譲る〉ことになぞらえ、お正月に一家の繁栄を願う縁起物として使われるようになったそうです。

さて、その下に引いてある葉の縁がギザギザした植物はなんだかご存じですか?これは「ウラジロ」というシダ植物の葉です。

ウラジロは関東地方では珍しい植物ですが、暖かい地域では雑草のように生え、繁殖力が旺盛なため子孫繁栄という意味があるようです。

さて、ウラジロは、細かいギザギザもたくさんあるし、枝分かれもたくさんありますよね。
ウラジロの1枚の葉はどこまでだと思いますか?小さいギザギザの1つ1つが1枚の葉なのでしょうか?それとも、上の写真に見えているのは2枚の葉でできているのでしょうか?・・・

正解は全部で1枚の葉。しかも、まだ延びきっていないんです。

鏡餅をどけてウラジロを観察してみましょう。
 

このようにウラジロの「股」の部分には小さな「芽」のようなものがあります。この先この「芽」がどんどん展開していって・・
 


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こんな風に、何段も延びて、1枚の葉を形作るはずなのです。
しかし、日本では何段も展開することはまれです。

このように、日本では途中で葉の展開が止まってしまうのは、ウラジロの分布と関係があります。

ウラジロはインドシナ地域(ミャンマー、タイ、ラオス、カンボジア、ベトナム、西マレーシア)やインドにまで分布し、本来は暖かいところが好きな種なのです。

日本では、ウラジロにとっては寒いので、この小さな芽が何段も伸びることはないのです。

私たちが見ているウラジロの「葉」は1枚の葉の一番下の部分(羽片といいます)なのです。

シダは漢字で書くと「羊歯」。これは、シダの葉のギザギザをヒツジの歯に見立てたものだと思います。
ちょうど今年は未年。未年にちなんで羊歯(シダ)植物に注目してみる、なんていうのも良いかもしれませんね。
 
 
 

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