遠藤のモバイルガーデン:冬芽を観察してみよう 未年に寄せて

モバイルガーデンバナー

遠藤です。あけましておめでとうございます。
 
昨年中はたくさんの方にモバイルガーデンを読んでいただき、メールなどで感想等のお言葉もたくさんいただきました。ありがとうございます。

今年の最初のお話は未年にちなんでヒツジのお話。
年賀状代わりにちょっとしたカードを作ってみました。
 

どうですか?ヒツジの顔に似ていると思いませんか?
ヒツジに似ているけれど、これは植物のある部分を拡大したものです。

接写しているのでどこの部分かわからないと思いますが、これはクルミの葉痕の拡大写真です。

葉痕というのは「葉の落ちた跡」のことで、このヒツジの顔のところには去年、クルミの葉がついていたのです。
 
秋になると、クルミは葉を落としますが、その葉が落ちた跡がこんな風に残っているのです。

もう少し遠くから写真を撮ってみると、このようになっています。
 

これで、植物の枝だということがわかっていただけたでしょうか。

ヒツジの角に当たる部分、2つの小さな楕円体の突起はクルミの芽で、この中には花と、葉が春を待っています。
 

葉痕に刻まれたヒツジの目と口に当たる部分はなんの跡なんでしょうか?
調べてみると、これは「維管束」だと言うことがわかりました。

ほかにもないかな、と思い、葉痕に注目して観察してみると・・・
 

どうですか?かわいい顔ですね。
これはクズという植物で、根から取るでんぷんは葛湯となる、あのクズです。

みなさんは何に似ていると思いますか?
 
私の友人にきいてみたところ、「はにわ」という意見が多かったのですが、ある人は「吉田戦車の「かわうそ君」ににている!」
と答えてくれました。

今度はみなさんご存じの「アジサイ」の葉痕です。
 

今回はかわいく見えるものばかり紹介しましたが、葉痕はみんな、こんな風に、かわいい顔に見えるのかというと、そうではありません。かわいく見えるものと、見えないものがあります。

かわいく見える条件は葉痕に付いている維管束が逆三角形型についており、それぞれが「目と口」にみえるという条件を挙げられると思います。

葉痕についている維管束がそのような逆三角形型につくことと葉の形、葉脈の走り方とは、実はある一定の法則があるのですが、今回は答えは秘密にしておきます。そして、アジサイはその一定の法則の例外で、これはヒントになるかもしれません。

春、葉がきれいに展開して、良い写真が撮れた頃に答えを発表しますね。

それまでに、みなさん、冬の野外で、ちょっとした都会の公園でお時間のあるときに葉痕に注目してかわいい顔を探してみてはいがかでしょうか?
 
 
 

タイトルとURLをコピーしました