遠藤です。みなさんこんにちは。
今月の1日にお台場にある日本科学未来館において、子供科学フォーラムというイベントが行われ、私はその講師として参加しました。子供達に実験を通じて科学に親しんでもらおうというイベントです。
未来科学館のwebページをご覧になればおわかりかと思いますが、生物系の博物館ではありません。今回のフォーラムも物理科学系のワークショップが多い中で私は「植物の実物図鑑を作る」というワークショップを担当しました。
植物の図鑑はたくさん日本で出版されていますが、写真や絵、ましてや文章だけではその植物がなんだかを調べるのは難しいですよね。
実物の葉で図鑑が作れればもっとより簡単に名前がわかって子供達が植物に親しみがもてるのではないかと思い、実験・観察用にキットを作ってみました。
実物の葉で図鑑を作る上で、「実物の葉はもって歩きにくい」という問題点があります。みなさんも辞書の間に葉を挟んで押し葉にした経験がある方も多いと思います。しかし、乾燥した葉はもろく、持っているうちにすぐ形が崩れてしまい、残念な思いをされた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで、レンタルCD屋さん等の会員証などを防水のためにラミネートする「ラミネートパウチ」の機械を使って、葉を封入することを考えてみました。
子供達の実験風景を見ながらご説明しましょう。
まず、子供達に用意した10種のうちでランダムに選んだカエデの葉5種とその種名を書いた名札を入れた「葉っぱキット」とA4の大きさのラミネートパウチ用のビニールシートを配ります。
子供達は出来上がった見本を見ながら自分がもらった「葉っぱキット」の葉を観察して、自分がもらった種が10種の見本の中でどの5種なのかを調べながらパウチフィルムにレイアウトしていきます。
このワークショップはいざ始めて見ると意外に保護者の方に人気で、至る所で子供達よりも熱心なお母さん、お父さんの姿を見かけました。
一番奥の彼女もお母さんの方が熱心ですね。
レイアウトが終わったら、先生にカエデの葉の名前がちゃんと会っているかどうかを見てもらって、機械の前に並びます。
そして、パウチの機械に入れて・・
完成しました。
どうですか?きれいにできていますね。
本当は、白い台紙の上に葉を貼ってパウチをすれば、見栄えは良くなるのですが、植物の葉は表面だけでなく、裏面にも種名を決める大事な特徴があることが多いのです。台紙を貼らないで、両面が見えるようにしておいたのは、そんな意味もあるのです。
今回は5種いっぺんにパウチして、1枚のカエデ図鑑を作りましたが、本当は、カエデ葉の実物標本もこんな風に
一種ずつばらしてカードのようにすると、植物を調べるにはよりいいですよね。しかし、今回は当初の予定を大幅に上回る300人を超える参加者があったため、きめ細やかな指導や、一人一人の子供達と十分お話ができなかったのがちょっと残念です。
みなさんが自宅でやるとき、つまりパウチの機械がないときには、透明なプラスチック版(模型屋さんや、東急ハンズなどで「プラ板」というと出してくれます)と、図書館などでほんのカバーに使う透明なフィルム状の粘着テープで代用することもできます。フィルム状の粘着テープは大きな文具店に行けば購入することができます。また、最近は透明のガムテープも手に入りますので、小さなものならそれで十分きれいなものができます。
何も、図鑑として作らなくても本の栞としてもかわいいのができますので、是非一度トライしてみてくださいね。