遠藤です、みなさんこんにちは。
私たちの種子島の旅も今日が最終日です。旅の最後にすることといえばやっぱり、おみやげ、ですよね。ドライブしているとこんな看板を見つけました。
種子島に鉄砲が伝来したとき、ポルトガルの鉄砲を見てすぐにオリジナルと同じ性能のコピーを作ることができたのは6月1日の回でお話したように海岸に砂鉄が多く、材料に不便しなかったということと、その豊富な資源で鍛冶が盛んだった、すなわち、技術と材料がすでにあったことが大きな原因だったと思います。
また、その時の領主種子島時尭(たねがしまときたか)が大金を出して購入した2丁のうちの1丁鍛冶屋に分解・研究させ、同じものを作るように命じたそうです。
技術、材料だけではなく、領主の判断も鉄砲技術の日本への迅速な導入に役に立ったようですね。
このとき種子島時尭(たねがしまときたか)は16歳だったそうです。
さて、この鉄工所を訪ねてみると、ちょうどはさみを作っているところで、見学をさせてもらうことができました。
はさみはまず、このような櫛の形をした材料から作ります。
この先の行程は少し複雑なのでイラストを使って説明します。
これらのイラストは、イラストレーターあじこさんにお願いいたしました。
先ほどの櫛形に加工されたはさみの元になる材料にはがねをくっつけます。赤く熱した材料の上にホウ酸と鉄粉の混ざった物を「ノリ」としてつかいます。
このように、金槌で熱い内にたたいて、一体化させます。
十分馴染んだところで赤い矢印の所を曲げて、持ち手を作ります。
もう、ずいぶんはさみの形になってきましたね。では、ここで問題。黄色の矢印と、緑の矢印、どっちの方に「はがね」が入っているでしょうか?はがねのある方が、切れる方ですよ。
正解は「緑」の方です。これは実際見ていても、「あれ、黄色い方が切れる方では・・・」と思ってしまいますが、はさみは刀の部分(ブレード)がクロスしますので、はがねが逆(内側)についているのです。
特に、定規など、計る物は一切使っていないにもかかわらずこんな風にぴったりの大きさのはさみの原型ができました。
ここまでの作業はたったの5分。素早い仕事ぶりに感激しました。
このあと、クロスする部分を留めて、きれいに磨きをかけるとできあがりです。
おみやげのはさみを手に、私は種子島からの帰路に就いたのでした。
ずいぶん長い旅になってしまいましたが、みなさん、いかがでしたでしょうか?夏本番を前に、みなさん、夏の予定を考えていることともいます。みなさんの旅の報告も是非私に聞かせてくださいね。楽しみにしています。