kyokucho/宮田健の気分はブルースカイ:第3回「子供になろう」

気分はブルースカイ

こんにちは、kyokuchoです。

以前Jacob’s Ladder(6/9)で取り上げられていたスペリング・ビーですが、アメリカではこんなCMがありました。スペルコンテストの壇上には小さな女の子。観客や審査員はみんな初老の方々です。問題は「マイクロフォンのスペルを言いなさい」。女の子はたどたどしく、「M・・・I・・・C・・・」というと、観客のおじいさんが続けて「K! E! Y!」と勝手に続けてしまいます。MICでKEYといったらアメリカではアレしかありません。会場はみんなでミッキーマウスクラブマーチの大合唱。これ、私が一番好きなWalt Disney World関係のCMです。面白いなあ、と思うのは、日本では考えられない層の人たちがミッキーに夢中、というのが描かれているところです。日本におけるディズニーって東京ディズニーランドがオープンした20年前から、という感があるのですが、そのCMに出てくるおじいさん達は、ちょうどテレビで「ミッキーマウスクラブ」という番組をリアルタイムで見ていた人たちなんですね。アメリカのディズニーランドに行ったりすると、日本とは異なる雰囲気なんですが、文化への浸透度が異なるからなんでしょうね。

さて、第3回はそんな日本とアメリカにおける「ディズニー」のとらえ方の違いについてとりあげてみましょう。このコラムはディズニーを題材としているのですが、今までのを読まれた皆様はどう感じましたでしょうか。何となくですが、ディズニーをネタにってどうせミッキーとかプーとかだろ?って思ったのではないでしょうか。日本における「ディズニー」という言葉の与える印象はまさにそれで、ミッキーマウスを初めとするキャラクター、および浦安の東京ディズニーランド、言い方を変えると「どうせ子供向けのもの」という印象が強いのではないでしょうか。

ところが、アメリカ本国ではちょっと印象が異なります。もちろん、ディズニーランドやウォルト・ディズニー・ワールドなどのテーマパーク運営も行っていますが、どちらかというと映画やテレビ等を中心としたショウビズのプレイヤーという印象の方が強いです(大人向けの映画配給としては傘下のタッチストーンやミラマックスがありますし、ABC放送もいまやディズニー傘下ですからね。)。また、年齢層も日本とはことなり、おじいさんから子供までまんべんなくファンが存在しています。先のCMのように、おじいさん達はリアルタイムで「白雪姫」や「ピノキオ」、「ピーターパン」を見ている世代にあたり、たとえばショーなどでティンカーベル(ピーターパンに出てくる妖精ですね)が登場したとたん、子供よりもおじいさんの方がはしゃいでいるのを見て、アメリカのディズニーランドに行ってよかったなあ、と感動したことがあります。

アメリカでは、大人も子供も家族ぐるみで「ディズニー」を楽しんでいます。それこそがウォルトの目指した「ファミリー・エンターテイメント」。しかし、今の日本での「ディズニー」は残念ながら子供のもの、と言う印象で止まってしまっていますね。アップルも以前「小学生になろう」という、大人のなかにある子供要素に向けてのCMを作成していましたが、日本の「ディズニー」に足りないのは、大人に向けてのアピールなんじゃないかな、とおもいます。

では!
(kyokucho/宮田 健)

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