kyokucho/宮田健の気分はブルースカイ:第26回 あなたの「ディズニー映画」の定義は?

気分はブルースカイ

こんにちは、kyokuchoです。本年もマックメムさんと本コラムをどうぞよろしくお願いします。このコラムもマック系のサイトに何故ディズニーネタが?!と毎回悩むところではございますが、今年もこのコラムで新しい発見をして頂ければ書いた甲斐があるというものです。そんなコラムを書いていきたいですね。今回は、思わずうなってしまったある掲示板の書き込みから思ったことを。

「あなたにとってディズニー映画ってどんな定義?」

これをネット上で見かけたとき、一瞬考えてしまいました。この質問って、多分このコラムをマックメムさんで見ている方のほうが素直で面白い意見が出てくるんじゃないかと思います。パッと思い浮かぶディズニー映画ってどんなイメージでしょうか。魔法とか冒険とか?お姫様とか王子様とか?それに、子供に見せても全く害がなく、それでいて大人も楽しめる、そんな映画の総称。とにかく、そんな感じのものなのではないかと思います(ひょっとしたらパクリというが最初に出てきたりして:-))。

ここ何回かのコラムでちょこちょこ触れているテーマが、「ディズニーがディズニー映画を作らず、ピクサーがディズニー映画を作っている」というような感じのものだったんですが、はて、それじゃ自分にとっての「ディズニー映画」ってどんなものなんだろう、と自問自答せざるを得ないような一言だったので、その書き込みは本当に新鮮な驚きでした。かといって深く考え込むようなことをしないタチですので、そのとき思ったことをメモ代わりにここに書いていこうと思います。

昨年公開された邦画で、「恋愛寫眞」という映画があります。これは最近ドラマ等で有名な演出家、堤幸彦が監督した作品で、作品中に登場する写真がものすごくきれいでさわやかな印象を残していて、私の中ではかなりポイントの高い映画(ただ、世間の評判はあまりよくないですが(笑))でした。で、この中で広末涼子演じる静流がよく使った言葉が、私にとってのディズニー映画をよく表しているような気がしました。それは「Wonder」。

劇中、「うれしいときとか、やばい瞬間にドキドキするのを、Wonder」と話しているのですが、これが非常にすがすがしくて心に残ったんですね。そして彼女が撮った写真がまさにそのWonderを具体化しているかのような作品で(ほとんどはプロの写真家によるものですが、数枚本当に彼女がとったものも含まれていたそうです)。で、その後掲示板でタイトルの一文を見たとき、ぱっと思い浮かんだのがこの「Wonder」。

私が最初に見たディズニー作品はたぶんメリー・ポピンズだったと思うんですが、この映画はストーリーもさることながら、空を飛んだり煙の階段を登ったり、そして絵の世界に入ってしまったりと映像効果がすばらしく、私にとっては驚きの連続でした。そのころはディズニーの作品であるということは全く気にかけていなかったんですが、ドキドキ、ワクワクしたということがとても心に残った作品です。今でもこの作品はもし子供ができたら真っ先に見せてあげたい作品です。この気持ちが、「恋愛寫眞」の静流が言った、Wonderなんじゃないかと思いました。思えば、その後ウォルト・ディズニーという人間、そして思想にハマッて初期のさまざまなディズニー作品を見ましたが、たとえば60年以上前に作られた作品で、生き生きとした頬を持つお姫様の姿やアニメーションとは思えない小人たちとのダンスにびっくりしたり、薄氷の上を華麗にスケートする雪の妖精たちや花びらの舞に心躍らせたりと本当にいくつもの驚きを得ることができました。きっと、そのときリアルタイムで見た人も「これは未来の子供たちに見せたい!」と思ったことでしょう。

ここ数年間では、残念ながらそのような作品はディズニー自身からは出ていません。ピクサー作品や「アイアン・ジャイアント」など、ディズニー以外のフィルムメーカーのほうがよっぽど「ディズニー作品」らしい驚きを持ったものを作り出しているのが現状です。ディズニー社が上層部の内紛などでもめていたり、ペンシルアーティストを解雇し、CG至上主義に移りつつあるのは私たち消費者にとっては全く関係のない話なんで、もう好きにしてください。でも、私はそれでも、ディズニー社の作る「ディズニー映画」が見たいなあ、と思います。メリー・ポピンズを見たときと同じ「Wonder」を、是非未来の子供たちに体験させたいですから。

では!
(kyokucho/宮田 健)

タイトルとURLをコピーしました