こんにちは、kyokuchoです。
ディズニーファンコミュニティでは、ここ最近オンラインストアの在庫チェックに翻弄されています。以前、「ディズニーの「短編」が見たい」でもちょっとだけ紹介したWalt Disney Treasuresシリーズ日本版DVDが、発売前に予約完売状態だったからです。
このシリーズですが、ウォルトがまだ活躍していた時期に制作された短編を集めた2枚組のDVDで、資料性の高いコレクターズアイテム的なものになっています。日本ではミッキーの短編を集めたものが2つ、ドナルドの短編が1つ、そして実験的な短編作品を作成したシリー・シンフォニーという作品群の集大成が1つの計4つの販売がスケジュールされています。これらのシリーズが日本でも発売されるというニュースはかなり反響があり、自分のサイトで取り上げたそのトピックは今までで一番ヒット数の多いトピックになりました。
で、問題はこれらが「限定数生産」であることで、ミッキーの2本が10,000本、そしてそれ以外が5,000本という数しか生産されないこと。これがファンの間で混乱を生んでおります。元々これらの作品はアメリカで発売されたものなのですが、アメリカでも同様に限定数生産で、現在はすでに入手困難となっています(発売が2000年なので当たり前ではありますが)。しかし、さすがに広大な国土を持つアメリカ、限定数が全く違います。日本では10,000本しか発売されないミッキーシリーズ、あちらでは150,000本の「限定」、そして5,000本しかない2つの作品群も165,000本発売されております。wikipediaによると、アメリカの人口は2億9千万人。対して日本は1億2千万人・・・。まあ人口と比べて限定生産数を比較するのも明らかに乱暴な話なのですが(笑)、日本ではかなり少ない数になっていることがわかるかと思います。
このため、このDVDに関するネット上の情報はほぼ完全に「ここで売ってました!」「と思ったら10分で売り切れました」「どこにも売ってない!誰か売って!」というような販売情報で埋め尽くされています。私のサイトではみんなの意見を書いてもらうような「特派員に訊け!」というカテゴリを作っているのですが、なかなかこの作品についてのインプレッションやディスカッションが盛り上がらないことについてはちょっと困惑しています。
で、このコラムでは、「販売しているブエナビスタジャパンなにやってんの!」というような、他の掲示板でよくかかれているようなことを展開したいわけではなく、そのブエナビスタジャパン(もしかしたらUSのディズニー本社)がたたき出した「5,000本」という数値、実は妥当な値になっているんじゃないかという想像です。この作品、いわゆる一般受けするようなものではないのは間違いありません。以前は「短編が見たいなあ」とは書いてみたものの、実はディズニーの短編って、見ていて単純におもしろいというのは少なかったりします(もちろんこれは、今風の作品をいっぱい見ている子供たちにとって)。それに、別のビデオやWOWOWなどのテレビ放送などで見ることができたため、短編が見たいんだ、という人はすでに持っていますので、今回のシリーズはあくまで持っていることがうれしいという「コレクターズアイテム」という扱いになります。さらに言うと、強くこの作品に興味のある濃いファン(私含む:-))はすでにアメリカ版を入手済みだったりするので、実際のところはこの本数は正しいのかもしれません。
そう考えると、日本におけるディズニーファンの人口というのも、私が想像している以上に小さなコミュニティなのかもしれないということを感じます。確かに、ディズニーのグッズはちまたにあふれていますが、以前書いたように単に一人歩きしているだけで、こういう濃いコレクターズアイテムの購入には結びつかない層なんじゃないかと思います。
おそらく、今回のシリーズは吹き替えなどのコストがかなりかさんでいるのではないかと思いますので、アメリカ版に比べて高い価格設定だったとしても利益はほとんどでないと想像しています。となると、商売としては売れ残りを極力避けるという数量設定をせざるを得ず、その結果の枚数があのミッキーですら10,000枚、というものになったのではないかと思います。ファンにとっては争奪戦となりましたが、今後繰り返したくないとなると私たちファンの裾野を広げるような努力をしていかないといけないんじゃないかと思いました。自分のコラムもサイトも、ライトなファンが集まってくれるような話題作りをしないといけないですね。今は濃ゆすぎて目も当てられない状況なので(笑)。
では!
(kyokucho/宮田 健)