とにかく衝撃的だった。
最近流行りの近藤麻理恵さんの片付け術。NHKスペシャルで実際の片付けが出来ない人に密着したドキュメントが放映されていたので何気なく観て、衝撃を受けた。
こんまりさんの片付け術って、ただの片付け方にちょっとだけフィーリングを織り交ぜたノウハウだとばかり思っていたのだが、それは全くの間違いだった。
その人が、なぜ片付けられない(簡単に言えばものを捨てることが出来ない)かという、その人の心の奥底にある問題点を解決するための精神的なカウンセリングなんだと初めて知った。
名言だなと思ったのが、人がものを捨てられないのは
「過去への執着」と「未来への不安」
だということ。確かにそのとおりだなと思った。
以前流行った野口教授の「超整理術」の中で、本がなかなか捨てられないのは「センチメンタルバリア」があるからと言っていたのを思い出した。
本と自分の思い出リンクしてしまっているので、その本を捨てることは自分の思い出を捨ててしまうように感じるというのだ。
今回のドキュメントで密着していた方々は、本に限らずあらゆるものに「センチメンタルバリア」を持っているために、現在使わなくなったものでも捨てられないことが明白だった。
それに対してこんまりさんの片付け術では、それは不要なので捨てましょうとは決して言わない。まず、その思い出がなぜ必要なのか、自分で向き合うように誘導する。
その思い出がネガティブなもので、そこからすでに自分が脱出しているのであれば、それは捨て去るように指導する。その結果、それに関係するものを捨てることができる。
一方で自分でまだ克服していない過去であれば、無理に捨て去るようには指導しない。
過去に関連したものを捨てれば片付けが終わるのではなく、その過去にけじめをつけない限り片付けは終わらないと、こんまりさんは考えているのだ。
これを例えるなら、病気で熱がある場合、解熱剤で熱を下げることができるが、病気の原因を直さないかぎりぶり返すということだ。
しかし多くの人は片付けられないのは、時間がないからとか、ノウハウがないからと思い込んでいる。
でも、実は無意識に過去の自分と向き合うことを避けている。片付けられないのはその結果であることがわからないのだ。
片付けを通して、過去の自分と向き合わせる。これは心理的なカウンセリングなのだ。
こんまりさんの片付け術が世界的にヒットしている理由はこのあたりにあるのだと確信した。