iPhoneのヘルスケア
iPhoneに標準でついてくるヘルスケアというアプリがあります。
ウォーキング・ランニングの距離や歩数などを自動で計ってくれるアプリです。簡単に言えば、アップルが開発した万歩計だと考えれば良いかと思います。
よくよく考えてみれば、iPhoneで歩数を計測するというのは決して簡単なことではありません。万歩計であればユーザーは腰につけてくれるので、上下と前後の加速度を計測すれば歩数をカウントできます。
しかし、iPhoneの場合はユーザーのどのようにiPhoneを持っているのかわかりません。ある人は手持ちであったり、ある人はポケットに入れていたり、ある人はかばんの中にいれていたりします。
ですので、個別に加速度の方向や大きさが異なるわけで、そういう状況を加味して計測しないといけません。そのため、アップルが開発した独自のロジックで歩数を計測しているそうです。
ネット上に多くのレビュー記事がありますが、それらによると歩数は完全ではないけれど、ほぼ正しい値が計測されているそうで、高い評価を得ています。
上った階数はどうやって計測している?
さて、アクティビティーには歩数と距離以外に上った階数という項目があります。
階段を上る時に、独特の加速度が生まれるはずなので、これもアップルが独自に開発したロジックで計算しているのかと思いきや、何とこちらは気圧計を用いて計測しているのだとか。
え?iPhoneに気圧計がついているの?でもわざわざ気圧計(苦笑)?。というのが自分の第一印象でした。
それで、気圧計でどうやって上がった階数を計算しているかというと、たぶんですが、ある時間からある時間に気圧が一気に変化したような場合、その気圧差をもとめて気圧分の標高差を計算して、それを1階分3mで割っているのではないかと思います。
気圧と標高の計算式
気圧から標高を求める計算式は以下のとおりです。
高さ = (気圧a/気圧b)1/5.257-1)
x (気温+273.15)/0.0065
これが、a点からb点の高さを測ることが出来ます。
でも、なぜ気圧計なのでしょうか?
iPhoneのGPSの標高計測アプリ
高さを測るのであれば、GPSを使えば一番正確なような気もします。
案の定、GPSを用いたiPhone用のアプリ標高ワカールがありました。
この標高ワカールですが、評価が5点中、4.1(2019年8月現在)もありますので、それなりに正確だということだと思います。
なぜGPSで計測しないのか?
では、なぜGPSを用いて計測をしないのでしょうか?
自分の想像ですが、GPS計測の場合、GPSがうまく拾えない場合に、上った階数が0階となったり、または逆に100階というようなとんでもない数字が出てしまう可能性があると判断したのかもしれません。
気圧計であればどんな状況でもiPhone独自のセンサーで計測できますから、総合的には誤差が一番小さいということなのかもしれません。
また、ユーザーは歩数や距離に関してはシビアですが、階数についてはほぼ無関心だと思うので、それなりの数字を出しておけば良いと妥協したのかもしれません。
ちなみに、以下でiPhoneの気圧計で台風の気圧を計ってみました。