秋はバスケットボールのシーズン
NBA(プロバスケットボール)が開幕となりました。米国には様々なプロスポーツがありますが、秋になるとバスケットボールが始まります。
プロとほぼ同時にNCAA(米国大学リーグ)のバスケットボールも始まります。こちらは日本の感覚でいうと甲子園大会予選のようなもので、3〜4月に行われるNCAAトーナメントに出場するための戦いという感じです。地元の大学が勝つと盛り上がります。
以前にも書きましたが、米国の大学のバスケットボール選手はセレクションで選ばれます。上手い選手少人数だけで構成されています。日本の部活のように誰でも入部できるわけではありません。よってチームに所属している選手はそれだけで誇らしいのです。
フリースローの練習にて
自分は大学の時にバスケットボールにはまり、暇があればバスケットボールをしていました。
自分のいた大学の体育館はいつでも使用可能だったので、一人でシュート練習をしたり、好きな学生が集まってその時々の人数で1対1、3対3、5対5などをプレーしていました。
とある午後、授業が早めに終わったので、体育館で一人でフリースロー練習をしていました。
すると、そこに大学のバスケットボール選手が体育館に数人入ってきました。彼らはバスケットシューズに履き替えながら、自分のフリースローの練習を観ているようでした。
その日はフリースローの調子が良く、1本、2本、3本と全く外れません。4本、5本、6本とその後もどんどんフリースローが決まります。7本、8本、9本、10本連続で入りました。
当初数人だったバスケットボール選手もその頃には10人以上になっていました。そして皆が自分を注視しているようでした。
そんなプレッシャーの中、フリースローが入り続けました。11本、12本、13本、14本、15本と成功。これだけ連続で入り続けることはなかなかありません。
ヘッドコーチからお誘い?
その時、ヘッドコーチが体育館に入ってきました。彼も同様に自分のほうをじっと見ているのです。
16本、17本、18本と連続してシュートが入ります。我ながら調子が良すぎぐらいに感じていました。そして、19本、20本と1本もミスすることなく20本連続ではいりました。
すると、それを見ていたヘッドコーチがこちらにゆっくりと歩いて来るのです。
その時、自分の頭の中でこんな思いがかけ巡っていました。
「今のフリースローを見て感動したコーチが『一緒に練習をしないか?』と誘ってきたらどうしよう。いやいや、自分はセレクションを受けていないしそんなことはダメだろ。そもそも、自分のような小さなプレーヤーは2mを越す選手相手にプレーできるわけないので無理、無理。これは断ったほうがいい。その場合コーチに失礼のないようになんて言って断ったらいいんだ?」
そしてコーチがだんだんと自分に近づいてきます。
「ねえ、ちょっと君、君。」と、ついにコーチが自分に声をかけました。
自分がドキドキしていると、コーチが一言。
「練習の邪魔なのでよそに行ってくれないか?」
皆が自分を見ていたのは、これから練習がはじまるので部外者はどこかに行けということだったのね。ああ勘違い(恥)。