遠藤のモバイルガーデン:東南アジアからの手紙。芳香剤としてのソリザヤノキの種子

こんにちは、遠藤です。

最近のトイレは、芳香剤としてポプリを使っているとことが多く

このお店もトイレの上にポプリの入った籐のかごが置いてありました。 かごの中のポプリをみてみるとバラの花びらや、ラベンダーの花とともにこんなものが入っていました。

これは、ソリザヤノキと言って、東南アジアに生えている高さ10メートルにもなる木の種子です。 日本には、この木は生えていませんが、似た仲間に「ノウゼンカズラ」があります。 このポプリになったソリザヤノキは赤く染められています。自然の状態のソリザヤノキはこのような色をしています。

ソリザヤノキの種子には香りはありませんので、

種子を赤く染めて、高価なバラの花びらの代わりに増量剤として使っている

のだと思います。 ソリザヤノキの種子は種子の周りにある羽を使ってグライダーのようにゆっくりと大きく旋回しながら遠くまで飛んで、子孫を広い範囲に増やそうとします。 ソリザヤノキの種子とそっくりな形をしたハネフクベの種子は、ドイツのエトリッヒとウエルズがグライダーを開発する際、参考にしたそうです。 染めていない

ソリザヤノキの種子は、飛ばしてみると、私の背の高さからでも10m程度は軽く飛んでいきます

ので、10mにもなる木の上から、種子が飛び出したら、大変遠くまで飛んでいくと思います。 東南アジアに実ったもののポプリとなったソリザヤノキの種子は、大空を優雅に旋回して未来の種になることはできませんでした。その代わりに、

バラの花びらのかわりとして、はるばる東京の喫茶店までやってきた

のです。 私は、その赤く染められた「東南アジアからの小さな手紙」を家に持って帰り「花びら」をよくのばしてとばしてみました。 羽のようになった部分がちぎれているので、きれいな種子ほどは飛びませんでしたが、種子は私の部屋をなんとか小さく旋回しました。 そのとき、東南アジアの森に吹く暑い風が一瞬頬をよぎったような気がしました。

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