私の恩師に上沼昌雄先生という方がいらっしゃいます。上沼昌雄先生が書かれているクリスチャン向けの「ウイークリー瞑想」というエッセイの中に「天国のチラシと桜吹雪」という桜の季節にふさわしい話がありましたので紹介いたします。
上沼先生のお友達の牧師の奥様と闘病していた奥様の母様との会話だそうです。(一部をダイジェストします。)
友人の奥様のお母様がお亡くなりになったときの様子を知らせてくれました。
闘病されていたお母様が死を間近にされてこんなことを言われたそうです。
母「天国がどんなにすばらしいところかお知らせするために私は天国でチラシを作って、
それをまこうと思う。」
私「(わざと)でも、それを地上に届けるのは、相当むずかしいんじゃない?」
母「そのチラシはきっと桜の花びらになって届くから、桜の花びらが散っているときは、
それだと思ってね。」
イースター(イエス・キリストの復活祭)を迎え、まさに桜が咲き出す頃に召されました。
そして葬儀、片付け等を終えて東京へ戻ってきた私たちの住まいがある国分寺は、ちょうどその日、桜吹雪がまっていました・・・。
「ああ、母が天国からチラシをこんなにまいているねって、聖書的根拠の無い、たわいも無い話を妻としました。」
おふたりの報せを読みながら、お母様が見た天国の様子、その天国からチラシを作ってまいている姿を、不思議にすんなりと想像することができます。
そのチラシが桜の花びらとなって届くと言われたこと、そんな天国の様子を、桜の季節のなかでお母さんだけに与えられた幻のような、たとえのようなかたちで表現されたのです。
何とも言えない見事な天国の置き換えです。
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