遠藤です。みなさんこんにちは。
東京のJRの駅に国立駅という駅があります。
中央線の小さな駅です。
南口を降りると、目の前に小さな赤いポストがみえてきます。
なんの変哲もない、普通のポストですから、いつも私はちょっと目配せをして他の人同じようにその横を通り過ぎて、目的地へ急ぎます。
ちょうどその日は、時間が少しあって、いつもよりも気持ちに余裕があったせいか、みちすがら、いろいろなものをゆっくりと見て行くことができました。
その日も、ポストはちゃんと、南口に立っていました。
最近、再開発があったため、ポストも新しくなって、きれいです。
ポストの横を通り過ぎようとして、いつもは気が付かなかったのですが、ポストの足元に何気なく目をやると、クローバーが生えているのに気が付きました。
「あ!、不思議だなー」と私は思いました。みなさんはどうですか?
どこか変わったところ、不思議なところを発見できましたか?
クローバーが生えているところを見たことがある人はわかると思いますが、普通クローバーはまるくまとまって生えるものです。
レンガの真ん中は植物が生えるのは無理としても、ポストの足下のクローバーはポストに沿って「コ」の字に生えていて形がいびつですよね。
何ででしょうね?不思議だなと思いました。
私が不思議に思った点は2つあります。
1つの疑問は「クローバーはなぜもっとポストの足下に勢力を伸ばすことができないのか?」という点。
もう1つの疑問は逆に、「クローバーはなぜもっとポストの外側へ勢力を伸ばすことができないのか?」という点。
私はこの2点が不思議だなと思いました。
本当のことは、クローバーに聞いてみないとわからないのですが、私はポストの足下のクローバーにはこんな物語があるのではないかと想像しました。
植物の生育に重要な2つのこと。それは、光と水です。
最初、ポストが傘代わりになってしまって水が不足しているため、ポストの足下へとクローバーが育っていかないのかと思いました。しかし、雨の日に観察してみると、ちゃんとポストの足下までしっかりとぬれていました。特段、ポストの足下とそうでないところでは水分の量に違いはなさそうでした。
そこで、もう1つの条件、光の問題だと考えてみました。あまりポストの足下に勢力を伸ばすとポストの陰になって十分日光が浴びられなくなり、生きてゆけないのではないでしょうか?
次に、今度は外側の話。光も十分あって、水の条件は同じ。そうした条件の下でどうしてポストの足下から外へ外へとクローバーは育って行かないのでしょうか?それは、ここが歩道であることに関係がありそうです。
もうみなさんはおわかりになりましたか?
きっと、クローバーがこれ以上ポストから離れると、人に踏まれて枯れてしまうからではないでしょうか?
みなさん、どうでしょう。
このクローバーにとってポストは自分の繁栄をじゃまする陰でもあり、自分を雑踏から守る守護者でもあるのです。
そして、上の写真のような「コ」の字の範囲。これ以上でも、これ以下でもないぎりぎりの範囲を一生懸命生きているのではないでしょうか?