遠藤です、みなさんこんにちは。
前回のコラム、いかがでしたか?「ウメボシイソギンチャク」おもしろい生き方でしたね。
さて、前回に引き続いて「3、タイドプールで生きる生物たち」のお話です。
潮が引いた後は完全に干上がってすべてが陸地になってしまうのではありません。よく見ると所々の岩のくぼみに小さなみずたまりができます。
このみずたまりのことを(タイドプール: Tidepool)といいます。
まったくタイドプールを観察経験のない方は、はじめタイドプールには何も生き物はいないと思われるかもしれません。でも、そこで、あきらめないで腰を下ろしてじっと観察してみてください。しばらくすると・・・
このような魚やエビ、ヤドカリ、ウニなどを見つけることができるでしょう。
タイドプールの特徴は
- A)タイドプールの大きさは海より小さい
- B)水温の変化は海より大きい
という2点があげられると思います。
Aは当たり前ですが、重要なポイントで、小魚や稚魚が大きな補食者から一時避難するのに最適な場所だということができます。
小魚が大きな魚から逃げる方法としては
このように大きな魚が入ってこられないところに逃げる必要があります。図では単純に水深だけの違いで書いてありますが、イメージとしてはこんな感じでしょうか。
イラストはいつものように桜子さんにお願いしました。
小魚が沖にそのまま移動しないで、温度変化の大きな厳しい環境のタイドプールにわざわざ残る理由はこの1の「タイドプールの大きさは海より小さい」という特徴のためだと思われます。
Bについては実際に子供たちに手伝ってもらって水温を比較してみました、この日の気温は24℃でした。
ぎりぎりまで海に近づいて波打ち際の温度を計ると27℃
タイドプールの温度は29℃でした。
海の沖の水温はもっと低いと思いますが、それでもタイドプールの温度は気温より5℃、波打ち際よりも2℃も水温が高いことがわかりました。
そのほかにはタイドプールは水の量が少ないので蒸散の影響から海水の塩分濃度もタイドプールの方が高いかもしれません。これも、簡易塩分計などで調べてみるとおもしろい研究ができると思います。
夏休みに入り、子供たちのもっとも生き生きした姿をあちこちで見かける楽しい季節です。ご家族で海におでかけの際には事故に十分注意され、海辺の生物も観察してみてくださいね。