遠藤のモバイルガーデン: 臨海実習(1) 満ち潮と引き潮の間で暮らす生き物たち

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遠藤です。みなさんこんにちは。

講師をしている科学センターで行われた臨海実習で神奈川県の三崎海岸に出かけました。

子供たちと磯の生物を観察するのは楽しいものです。磯の生物を観察する視点はいくつもありますが、潮の満ち引きと生物の関係を見てみることにしました。みなさんも、ご一緒に観察してみませんか?

潮間帯の生物たち

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潮間帯とは

潮が満ちたときと引いたときの間のエリアを潮間帯といいます。

そんなにたいした面積ではないかと思われるかもしれませが、同じ場所を時間をおいて写真に取ってみると
 

左右の写真は2時間しか経っていないのですが、このように広い面積が毎日海の下になったり、海面の上に出てきたりしているのです。

これだけを観察させても子供たちは意外だと思うようで、「すごーい!」なんて言っていました。

潮間帯の生物の生存戦略

このような(水陸両用)の潮間帯は陸地だけ、海だけの場所よりも生存条件が厳しいので生育する生物は少ないような気もしますが、実際は生物の宝庫とも呼べるような多様な生物が暮らしていることを確認することができます。

どのようにして条件の厳しい潮間帯で生物たちが暮らしているのかを観察してみました。

沖に流されて行く

潮が引いてゆくと潮に合わせて沖に流されてゆき、満ちてくると海岸付近までやってくる生物がいます。これは、正確には「潮間帯」の生物ではありませんが、潮が引いた後で見られる生物だけが潮が満ちたときにそこにいるわけではないということを心の隅においておいてください。

岩にくっつく

海草や、イソギンチャクなどの動けない生物や、ヒザラガイなどの動きが非常に遅い生物は潮位の変化について行くことができずに陸上に顔を出してしまうことになります。

したがって、強い日差しと乾燥に耐える仕組みが必要となります。

何か、赤いゼリーみたいな、梅干しみたいなものが岩についていますが、なんだと思いますか?
 

これを持って帰って、水槽で観察してみると、梅干しの一番上の部分がだんだんに開いてきて・・・

さらにしばらく観察していると、この梅干しの正体は下の写真のように、イソギンチャクだと言うことがわかりました。

このイソギンチャクは見たままの名前で「ウメボシイソギンチャク」といいます。

引き潮になると、自分の作る透明な膜で自分自身全体を覆って、乾燥から耐えているようですね。

イソギンチャクの仲間の乾燥に対する耐え方としてはほかにも

このような、石の鎧(よろい)を着て乾燥から耐える「ヨロイイソギンチャク」も観察することができました。

下の写真で矢印で示した貝は鳥の「鵜(ウ)」の足に似ていることから「ウノアシ」と言う名前の貝です。こうした1枚貝などは、岩にぴったり自分の体をくっつけて、次の満ち潮を待っています。

このようにそれぞれの特徴を生かして潮間帯に適応して暮らしています。

次回、3つめの生き方として、タイドプールに生きる生物たちを観察してみたいと思います。お楽しみに。
 

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