人は値引きよりもキャッシュバックがお好き。

アップル・バック・トゥー・スクールキャンペーン

 

現在アップルでは大学生、高専生、専門学校生を対象にバック・トゥー・スクールキャンペーンをやっていて、期間中にMacを購入すると1万円のiTunesカードまたはAppカードをもらうことが出来る。(ちなみにアップルの学割は学生だけではなく「大学生、高専生、専門学校生の生徒の父母」や「小、中、高のPTA役員」も対象なので、Macの購入を考えている親御さんは一考の価値有り)
 
さて、なぜアップルは本体を1万円値下げしないで、1万円のカードをプレゼントするのか?理由をいくつか考えてみた。
 
1.ブランドを維持したいため。
アップルは値下げをするメーカーと思われたくないために、値下げはしない。でも販売促進のためにプレゼントを上げるのは可能だから。
 
2.お店が値下げをしない可能性があるため。
大学生活協同組合店舗でもMacが販売されているので、このキャンペーン期間中に定価を1万円値下げしてもらうために、アップルがお店に(約)1万円値下げして卸したとして、店頭で本当に1万円値下げしているか確認がとれない。お店が定価通りに販売して利益を1万円多く取ってしまうかもしれない。カードをプレゼントするのであれば、購入者に直接送ることが出来るので、その心配がない。
 
3.キャンペーンをしても全員が応募するとは限らないため。
値引きであれば確実に1万円利益が下がるが、iTunesカードのプレゼントであれば、応募に興味がない、面倒くさい、忘れたという理由で購入者全員がプレゼントを得るとは限らない。つまり応募が無かった分はアップルのマイナスとならない。
 
4.カードが使われない可能性があるため。
値引きであれば確実に1万円利益が下がるが、カードを紛失してしまったり、持っているだけで使用しない人がいるので、その分アップルのマイナスとならない。
 
5.1万円のカードのコストは7000円程度のため。
値引きであれば確実に1万円利益が下がるが、1万円のカードはiTunesストアやAppストアでのアプリ等の購入に使用されるため、アップルのコストは約3割の利益引いた7割で済む。
 
そして、今回のポイント!
6.人は値引きよりも、キャッシュバックのほうをうれしく感じるため。
以前「Macを感じる感覚は意外とテキトーって知っています?」で説明したが、人は小さな数字の変化には敏感だが、大きな数字にあまり敏感ではない。例えばスーパーで、定価150円の卵のがセールで98円で販売されていれば、その差はわずか50円でもすごく得した感じがする。
 
一方10万円のiMacが9万円になればうれしいはうれしいが、正直あまりぴんと来ない(1万円の値引きは卵の値引きの200倍の価値なのだが、200倍うれしいとは感じない)。こういう大きな買い物の場合、値引きのことよりも「大きな出費」に目が向いてしまう。つまり9万円も10万円も「大きな出費」にかわりがないので、その差を感じづらい。
 
ところが購入後数日経てばMacに支払った出費のことを忘れているので、アップルからカードが届くと「アップルは私にお小遣いをくれた!それも1万円!」と純粋に喜ぶことが出来る。これは「アップルは学生のお客様に対して優しい企業なんですよ」と強烈にアピールするための戦略なのだw。
 
マックメム店長 猪川紀夫
メモリーの最大搭載量の秘密

人は今のままが大好き。

乗り換えのプロモーションがあちこちで行われている。
 
auやdocomoからSoftbankに乗り換えると最高X万円の商品券がもらえるとか、ADSLから光に乗り換えるのに工賃が無料とか、プロバイダーを乗り換えるとXヶ月無料というようなものだ。
 
人は変わることが嫌いで、デフォルト(現在の状態)のままでいたいと考える生き物だ。
 
それは現状から変化して得るメリットよりも、現状から受ける恩恵を失うデメリットを嫌うためだ。以前「Macを感じる感覚は意外とテキトーって知っています?」で人はデメリットよりも、メリットが2~2.5倍であってはじめて吊り合うように感じると説明した。変化後よりも現状を良いと過剰に評価する感覚を「現状維持バイアス」と呼んだりする。
 
有名なのは交通事故で死亡した場合の臓器移植の話。運転免許にドナーになっても良い場合は意思表示をするというシステム(日本のシステムはこれ)の国ではドナーになってくれる人は少ないが、ドナーになるのがデフォルトで、ドナーになるのが嫌な場合は意思表示をするというシステムの国では大変高い率でドナーになってくれる、というもの。
 
生きる死ぬという深刻な話でさえ、「現状維持バイアス」が強く影響しているので、携帯やネットやプロバイダーという乗り換えても乗り換えなくても自分の人生に大きなインパクトを与えないような話であればさらに強く影響するのは当然と言える。
 
でも、企業はシェアを広げることが死活問題なので必死である。
 
そこで、ユーザーが乗り換えるとこんなに大きなメリットがあるということをアピールするために、高額な商品券を提供したりする。「え!そんなにくれるの!」とユーザーが驚くぐらいでないと乗り換えたいという動機にならないからだ(ここらへんは個人的にSoftbankは巧妙だと感じる。たぶん携帯事業に後から参入した企業としての正統な戦略なのだと思う)。
 
ユーザーからすると数万円の商品券はすごくインパクトがあるが、企業とすれば月に5000円程度支払ってもらえるような契約なら数カ月でもとがとれる。そして、一度乗り換えてもらえれば、今後よほどのことが無い限り「現状維持バイアス」で、契約を続けてくれることが予想できるので、長い目でみれば企業側は痛くないということになる。
 
この制度をうまく利用して、乗り換えジプシーのようなことが可能かなと思ったりもする。ただそういうことを調べている暇があれば仕事をしていたほうが賢いようにも思うのだがw。
 
マックメム店長 猪川紀夫
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Macの購入:分割払いとリボ払い。クレジットカード会社ってさすがです。

新しいMacを購入するとき、クレジットカードの一括支払いで購入できれば良いのだが、このご時世なので、手持ちが無く分割払いで購入する人も多いかもしれない。
 
そしてクレジットカードの分割払いで、最近カード会社が薦めるのが、リボ払いという支払い方法だ。
 
多くの方はご存知かと思うが、ご存知無い方のために簡単に説明すると、リボ払いというのは自分の支払い能力にあわせて毎月一定額を支払っていく分割払い方式である。
 
例えば10万円のMacBook Airの支払いを10回の分割払いとすれば月々の支払は1万円(+手数料・利子)だ。その後iMacも欲しくなり10万円のiMacを10回の分割払いで購入すれば、月々の支払は1万円(+手数料・利子)で、毎月合計2万円(+手数料・利子)の支払いが必要となる。ところがリボ払いの場合は、月々の支払いの設定を1万円としておけば1万円以上支払う必要はない。その分支払い回数や利子等は増えるが、月々の負担額は大きくならない。つまり、上の例えでは分割払いで月々2万円の支払い能力がない人は、MacBook Airを購入したらiMacは当面我慢しなくてならないのだが、リボ払いにすれば1ヶ月の負担は1万円なので両方同時に持つことが出来るのだ。
 
で、もともと分割払いというのは、現在の10万円分の製品と将来の10万円+利子を交換するシステムである。よって今の10万円は将来のいくらに見合うかを天秤にかけてみて、分割の支払いを選択するか、購入をあきらめるかを決めることになる。
 
例えばiMacでイラストを描いているプロの方であれば現在iMacがあれば利益を生み出すので、10万円+5万円程度なら支払う価値があると考えるかもしれない。ネットで遊んでいるだけなら利益を生み出すわけではないので、10万円+1万円でも高いと考えるかもしれない。でも趣味だけ考えれば10万円+3万円程度なら妥当と考えるかもしれない。分割払いにして天秤が釣り合うかどうか、この天秤の感性は人それぞれで異なるので、決定も個人で異なることとなる。
 
ところが、リボ払いの場合月々の支払い額は一定なので、利用者の多くは支払い額を意識しない。で、支払い額が一定ということは支払い回数が増えるということなのだが、人は支払い回数に対して支払い額ほど敏感ではない。
 
理由は2つあって、
1.人は将来をイメージするのが苦手:来月の支払いは「支払いが大変だ」とイメージしやすいが、1年後の支払いは大変なのかどうかピンと来ない。
 
2.人は小さい値には敏感だが、大きな値には鈍感:1回の支払いと2回の支払いの違いは大きく感じるが、10回の支払いと11回の支払いではあまり差を感じない。(これは「Macを感じる感覚は意外とテキトーって知っています?」の2番目の特徴だ)
 
よって、支払い期間が多少(本当はかなり)伸びたところで、あまり痛みを感じない。そのため、リボ払いを一度始めてしまうと分割払いの感覚が「どうせ毎月の支払いが1年延びるだけでしょ」「電話や水道料金と同じでしょ」という感じになって浪費癖がつきやすい。
 
消費者にたくさんお金を使わせようとするクレジットカード会社の戦略、さすがだなと思う。
 
マックメム店長 猪川紀夫
グーグルの研究が示すメモリーエラーの真実

iPadの定額プランでは「ベーシック定額」が心情的には優しい。

新iPadが発売されて、新しくiPadユーザーになる方も多いと思う。
 
さて、ソフトバンクのiPadには2つの定額プランがある。
1.「ベーシック定額」:全く使わなくても、いくら使っても一律4,410円
2.「ゼロから定額」:100MBまで無料、111.5MBまで従量制となって、111.5MBは4,980円
という2つだ。
 

iPad定額プラン
iPad定額プラン
 

外での使用が多いユーザーは「ベーシック定額」で、家でWIFI使用がメインのユーザーは「ゼロから定額」がお得になるかと思うが、この中間当たりのユーザーはどちらしたよいか判断が難しい。
 
中間ユーザーは「ゼロから定額」にしたいけれど、110.5MBを超えてしまったら「ベーシック定額」より570円を多く支払うことになるのでもったいない。かといって「ベーシック定額」で契約して、WIFIだけしか使わない月に4,410円を払うのも悔しい。
 
さて、この時人はどう感じているか。基本的に人は出費が嫌いだ(苦笑)。なぜかというと、以前「Macを感じる感覚は意外とテキトーって知っています?」で書いた人の感覚の特徴の3「マイナスの変化には敏感だが、プラスの変化には鈍感。」だからだ。
 
「ベーシック定額」とか「ゼロから定額」は売買契約で、パケットを利用するかわりにその代金を支払うという売買契約であって、一方的にSBにお金を取られるということではい。
 
ところが、パケットをもらうという「プラスの変化」というのは、目に見えないこともあって人は評価がしづらい。一方で「マイナスの変化」は通常でも「プラスの変化」よりも過剰に評価されるのに、代金を支払うという行為は預金通帳の残高が減るとかクレジットカードでの請求書という見た目にはっきりわかることもあってすごくマイナスの感情に影響を与える。
 
なので、一方的に不利な契約を結ばされて、SBにお金を取られるているという印象をもってしまいがちだ(苦笑、パケットが高い安いは別として)。
 
さて、「ゼロから定額」と「ベーシック定額」では代金を支払うユーザーとしてにどちらが心情的に優位か。たぶん「ベーシック定額」のほうではないか。
 
というのは、人はマイナスの変化が嫌いなので「ベーシック定額」であれば1ヶ月に1回、銀行の通帳やクレジットカードの明細をみて”痛っ”と思えば良いが、「ゼロから定額」ではパケット数を気にする=支払いを気にするということなので、その度に”痛っ”と思えてしまう。
 
せっかくiPadを利用して楽しいiPadライフを満喫出来ると思っても、それでは常に支払いを気にしていては落ち着かないのではないか。もし支払いを抑えるために外での使用を控えたりしたら本末転倒のような気がする。
 
この現象は別にiPadに限ることではなく、日常でもよく見受けられる。「ディズニーランド」と「乗り物ごとに支払いをする遊園地」の関係や、「マイカー」と「タクシー」の関係でも同じである。
 
よって、中間ユーザーは月に一度支払いをした後は支払いを気にしないですむ「ベーシック定額」を私はお薦めします。
 
マックメム店長 猪川紀夫
超速便

いつも自分のMacの下取り価格ってムッチャ低いと感じませんか?

新しいMacを購入する場合には2通りあって、
1.買い換える。
2.買い増す。
である。
 
昔のMacユーザーは、Macに愛着が沸いてしまって古くなっても手放さずに、新しいMacを買い増していった。一方で最近はMacが安価になったことと、モデルチェンジのサイクルが速いので愛着が沸く前に買い換えてしまうことが多い。
 
買い換える場合、下取りに出すことが多いと思うが、自分のMacの下取り価格がやたらと低く感じてしまうことはないだろうか。これは「所有(保有)効果」とよばれる現象で、自分の持っているものを過大評価してしまう感覚のためだ。
 
例えば、自分のMacBook Proを下取りに出す時に色々とその価値を計算して価格が10万円が妥当だと判断したとする。次に、自分が下取りにだそうとしているMacBook Proと全く同じスペックのMacBook Proが中古屋で10万円で販売されていたとする。この売られているMacBook Proに対して「さすがに10万円はだせないなー」と感じたら、それは自分のMacBook Proをかなり過大評価していることになる。
 
ではなぜ自分のMacBook Proの価値を過大評価してしまうかというと3つのポイントがある。
 
1.自分のMacBook Proとの幸せな時を加算してしまうため
このMacBook Proはこんな苦労をして手に入れたとか、こんな大切な書類を作成したとか、家族のムービをたくさん編集したとか、そういう大切な時間を過ごしたMacBook Proなのだから他のMacBook Proより貴重だと考えてしまう。
 
2.失うものの大きさを過大評価してしまうため
MacBook Proがなくなると自分にとっては困った状況になるので、それを埋めあわせるにはそれ相応の代金が欲しいと考えてしまう。この感覚は以前書いた「マイナスの感覚に敏感である」ために起きる。
 
3.自分と同じ視点でこのMacBook Proを見てくれるだろうと期待してしまうため
このMacBook Proがあれば、自分が出来たのと同じ経験をすることが出来るだから相手もそれ相当の代金を支払っても良いだろうと考えてしまう(でも実際はどのMacBook Proでも同じ経験が出来るのだから特別な価値はない)。
 
下取りをするほうはそのような感情は全く無視で、スペックから淡々と市場価格を割り出し、そこからビジネスとして成り立つように利益分を差し引き、故障や将来の値下がり等のリスク分など差し引いて、出てくる下取り価格はたぶん数万円という数字になってしまうのだ。
 
自分もかつて何十万円も出したMacを下取りにだそうとしたが、その見積もり価格が数万円でしかなかったため、手放すのモッタイナイと考えて下取りに出すのはやめてしまった。その結果、家の中にどんどん古いMacが溢れるようになってしまったのである(苦笑)。
 
(参考文献:予想通りに不合理/ダン・アリエリー著)
 
マックメム店長 猪川紀夫
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修理したMacに再度別の箇所の故障が発生。修理すべきか否か?

多くのPCユーザーは、PCが好きだから・Macが嫌いだから乗り換えないということではない。その2」で書いた「サンクコスト(埋没費用)効果」について、別の話を。
 
愛機のMacが故障した場合、修理をするか新しいMacを購入するか悩むところだ。
 
マザーボード、電源部分、液晶の故障だとアップルは一律5万円強の修理代金を請求するようなので、新規購入と修理のどちらが良いかと尋ねられれば、10万円以下のMacであれば、間違いなく新しいMacを購入することをお薦めしている。10〜15万円程度のMacであれば、基本的に新しいMacを購入することをお薦めすするが、愛着度によって修理をしても良いかなとは思う。それ以上の価格のMacであれば修理を選択しても良いとは思う。
 
Macに使用されている部品には寿命があるため、3年以上経過しているMacはどこが故障をしても不思議ではない(Macの個体差や使用時間やオンオフの頻度によって一概には言えないが)。そのため、ある故障部分を修理をしても、近い将来他の部分が故障する可能性が高い。例えば、マザーボードを修理して、ちょっとしたら今度は電源や液晶が故障したという話を聞くことがある。1回の修理で5万円かかるということは2回修理をすれば10万円。新しいMacが購入出来る価格である。
 
さて、ご自身のMacで以下のことが起きたら皆さんはどのように判断するだろうか。
 
1.購入から3年が経過したMacBook Proの乗り換えを検討していた矢先に故障が発生。修理代金は5万円。さて、この場合、あなたは修理をしますか?それとも新しいMacBook Proを購入しますか?
 
→この場合は圧倒的に新しいMacBook Proを購入すると回答すると思う。
 
2.購入から3年が経過したMacBook Proの乗り換えを検討していた矢先に故障が発生。ただ、とある理由で5万円をかけて修理を行った。ところが、1ヶ月後に別の箇所が故障し、その修理に再度5万円がかかる。さて、この場合、あなたは修理をしますか?それとも新しいMacBook Proを購入しますか?
 
→この場合はちょっと悩やましい。すでに5万円をかけて修理したわけで、新しいMacBook Proを購入したら投資した修理代金5万円が無駄になってしまうためだ。なので、再度修理をするほうを選択をする方が出てくる思う。
 
合理的には1も2も新しいMacBook Proを購入するという選択が正しいのだが、2ではどうしても投資した5万円が判断に影響を与えてしまう。これが正に「サンクコスト(埋没費用)効果」のなせるわざなのだ。
 
「わかっちゃいるけどもったいない」っていう心理というのはなかなかやっかいだと思う。
 
マックメム店長 猪川紀夫
 
CCCのバックアップのとり方

多くのPCユーザーは、PCが好きだから・Macが嫌いだから乗り換えないということではない。その2

前回「多くのPCユーザーは、PCが好きだから・Macが嫌いだから乗り換えないということではない」で説明をした以外にも、いろいろとPCユーザーが簡単にMacに乗り換えられない理由はあると思う。例えば、その1つがサンクコスト(埋没費用)効果ではないかと踏んでいる。サンクコスト(埋没費用)効果とは、過去に投資した費用や時間に固執してしまう心理のことである。
 
その昔コンコルドという超音速旅客機の開発で、開発費用が想像以上にかかり完成したとしても採算が会わないとわかっていながら、最後まで開発して案の定大損をしたという有名な話がある。途中でやめておけば傷が浅かったのに、「ここまで大金を投資しておいて途中でやめるわけにはいかない」とさらに投資して、もっと傷を深くしてしまったケースだ。日本では民主党が与党にになってからもめている八ッ場ダムの開発についても同じようなことが言える。
 
自分でも最近同じような経験をした。
 
自分は時々大切な仕事をど忘れしていて大変な目にあうことがある(苦笑)のだが、これはTo Do管理が悪いからに違いないと考えて、iCalでTo Do管理をはじめた。しかしiCalはスケジュールにはよくてもTo Do管理はやや貧弱と感じ、新たにTo Do管理アプリを探した。
 
そして、色々と吟味した結果、「Things」というアプリを購入することにした。OSX版5460円、iPhone用アプリ850円。これでMacとiPhoneで同期しながらTo Do管理をすることが出来る。
 
ところが、思ったよりも「Things」への入力が面倒だったり、完了したTo Doのチェックを入れ忘れたり、「Things」自体を開くことを忘れたり(苦笑)してなかなか使いこなさせない。でも5460円+850円を投資したのに「今更使わないわけにはいかない」と使いづらくても無理して使い続けた。結局1ヶ月後に挫折。性にあわないと気づいた時にやめておけばストレスもなく、その後の時間も無駄にせずに済んだのにである。
 
そして、さらに「Things」は使わないとわかっていながらも今でも削除出来ない。すきあらば再度使ってやろうと思う心さえある(苦笑)。使わないのならリソースのムダなので削除すべきなのに、そうは簡単に諦められないのが人の常である。
 
こういうようなサンクコスト効果を反面教師にして「戻ってこない過去の投資に固執して将来を考えてはダメ」ということを学ぶべきなのだ。
 
さて、PCユーザがMacに乗り換えられない理由にはこのサンクコスト効果もかなり効いているのではないか。PC歴が長ければ長いほど「ここまで多大なお金と(メンテナンス)時間を投資してきたのに今更Macなんて使えるか」と思うはずだ。でも、戻ってこない過去の投資に固執してさらに大切な時間とお金を浪費するよりも、素直になってMacを試してみるという姿勢は大切だと思うのだ。(ただ、もしWindows 8がはるかにOSXを凌ぐ使い勝手である場合、自分が素直にPCに乗り換えるかというと、そんなわけないだろうなーとは思うのではあるが(苦笑)。)
 
マックメム店長 猪川紀夫
 
マックとメモリーの関係

多くのPCユーザーは、PCが好きだから・Macが嫌いだから乗り換えないということではない。

Macを感じる感覚は意外とテキトーって知っています?で書いたの特徴の3つ目「マイナスの変化には敏感だが、プラスの変化には鈍感」についてを説明したい。
 
古いMacから新しいMacに乗り換えても、それほど速いとは感じないが、新しいMacから古いMacを使ってみるとすごく遅く感じるという感覚を持っている。人はマイナスの変化を過剰に評価する生き物なのだ。
 
これは私の勝手な想像だが、PCユーザーはPCが使いづらいと嘆いているにも関わらず、トラブルの少ないMacに乗り換えないのは、Macの使い勝手の良さによる生産性アップというメリットよりも、操作を覚えたりソフトを買い直したりと乗り換える手間から来るデメリットを避けたいと考えるためではないか。また、携帯ユーザーがiPhoneに乗り換えないという場合も同様の判断をしているものと思われる。
 
この関係の研究でノーベル経済学賞をとったカーネマンによると、人はメリットよりもデメリットを2〜2.5倍重く見る傾向があるということを発表している。言い換えると、「PCからMacへ、または携帯からiPhoneに乗り換えるためには、現状のPCや携帯よりもMacやiPhoneが2〜2.5倍ぐらい使い勝手が向上すると見込めなければ乗り換えない」と言うことだ。
 
iPhoneの販売前は自分の意識の中には携帯会社をSoftbankにするという思いは全く無かった。Softbankは音質が悪いとかつながりづらいというのは有名だったから、auかdocomoにするのが妥当だった。
 
ところがiPhoneの販売で事情がかかわった。iPhoneを使うためなら、Softbankだって構わないと思ったのだ。つまり自分にとってはiPhoneの魅力はSoftbankのダメさを2.5倍を上回る価値があると判断したわけだ(たぶん100倍以上価値があると思ったはず)。
 
そうゆう魅力薄のSoftbankがユーザーを取り込むために、魅力的なiPhoneに目をつけ、アップルのいいなりになるというリスクを犯しても販売に踏み切ったSoftbankの戦略はさすがだと思う。(一方でauはNew iPadについて販売時期を判断できないでいるのはリスクを犯す必要がない立場だからなのだろう。)
 
マックメム店長 猪川紀夫
 
アップルのメモリーの残念なところ

Macを価格で妥協して購入して、しまったーと思ったことあります。

新しいMacを新しく購入する時に、一番考慮するのが目的だと思う。持ち運ぶのか、デスクで作業をするのか。趣味で使う程度か、仕事でバリバリ使うのか。メールやネットがメインなのか、グラフィックの作業なのか等々。そういう用途によってモデルやスペックを絞っていく。
 
そして、次に価格。価格は購入判断の大きなウエイトを占める。どんなに目的がはっきりしていても予算が不足していれば妥協しなくてはいけない。
 
例えば「グラフィックの仕事をしているのでMac Proが欲しいが、予算が不足していてiMacにしなくてはいけない」というようなことだ。それは致し方ないことだ(借金してでも購入しろという言い方もあるが)。
 
一方予算は十分にあるにも関わらず、妥協して安いものを購入してしまう場合がある。
 
例えばMacBook Proの現行モデルを量販店に買いに行ったのだが「1つ前のモデルがややスペックが落ちるものの1万円引きだったので、古いモデルのものを購入した」というようなケースだ。人はお買い得品に弱い(苦笑)。
 
「新しいMacを購入して長期間幸せを維持するコツ その2」情熱的な感情は一時のものだが、「愛着」はずっと続くと書いた。
 
購入当初、お買い得感から来る幸福感が数カ月続く。でもその感動は必ず薄れていく。そして、ちょっと低いスペックのMacだけが手元に残ることになる。すると、「あの時なんで新しいモデルにしなかったのだろう」という後悔の念が湧いてきて、日々のMacな生活が、多少どよんとしてしまうことがある。
 
つまり人は「情熱的な幸福感に魅了されやすく、愛着に目を向けることが苦手」ということだ。でも1年以上使うものであれば、この愛着を重視するほうが幸福感は持続する。よってちょっとした値下げに惑わされず、自分のスペックにあったMacを購入することが正しいMacの買い方だと思う。
 
そういう自分も散々このようなミスを犯してきた(苦笑)。失敗したなーとよく思い出すのは今でも時々使用するMacBookのことだ。
 
自分はUSキーボードがどうしても譲れないポイントなのだが、安さにつられてJISキーのMacBookを購入してしまったことがある。今となってはいくらで購入したかも思い出せないが、使いづらさは今でも使う度につきまとってくる。金額的に妥協したことをいつでも悔やんでいる。
 
「高いけれどブランドのものは大切に永く使うのでお得」なんて言葉を高額なブランド品を購入する時に口実にしている女性も多いようだが、Macについてはある意味その理屈は正しい。
 
ただ、最近はMacのモデルチェンジが1年〜1年半で、性能ががらっと変わってしまうことがあるので、ここがブランドものと違って高いから永く使えるかどうが微妙ではあるのだけれど。
 
ちなみに、自分はMac SE系のデザインが今でも素晴らしいと思うので、Mac miniを中にいれて今でも使えるようにしている。良いものは永く使うえるように努力する気にもなるということではある。

マックメム店長 猪川紀夫
 
OSXでのメモリートラブルの謎

得をしているようで損をしている、ってこともあります。

以前書いた人の持っている感覚の3つの特徴の2つ目「小さい変化には敏感だが、大きな変化には鈍感」について説明をしたい。
 
その時にも説明した自分の経験だが、昔ボンダイのiMacが233MHzが、iMac DVの400MHzとなった時は劇的に速くなったと感じた一方でiMac 2009/2.0GHzが3.1GHzになってもあまり劇的に速くなったと感じなかった。
 
つまり、対象が「もともと遅いスピードのMacであれば、ちょっとスピードアップしただけでもその差を大きく感じ、対象がもともと高速なMacだと、大きくスピードアップしてもそれほど大きな差に感じない」という感覚を人は持っているということだ。
 
ここから言えるのは、これだけMacのスピードが成熟してくると、もうマシンの処理速度をアピールポイントに出来ないということだ。そのため、需要を喚起するにはMacを新しいデザインにする(MacBook Air等)とか、新しい部品を用いる(SSD等)しかない(安売りという手もあるがアップルはその路線にはいかない)。アップルの販売戦略はごもっともな手法だと言うことが出来る(成熟したPC市場で戦うよりも、iPodの音楽市場やiPhoneの携帯市場に移行するというのも正解)。
 
それから、この感覚は別にスピードだけの話ではなく、価格の感じ方にも言うことが出来る。
 
iTunesストアで85円のアプリが期間限定で無料になっているとすごいお得感があるが、10万円以上するMacBook Proを1000円値下がりしたぐらいではあまりお得感がない。アプリはわずか85円の差で得したと感じ、MBPは1000円の差があるにも得したと感じない。
 
特にこの「無料」という言葉には魔力があって、ものが無料になった瞬間に人は魅了されてしまう。
 
例えば、iTunesカードの特売で一人1枚だけ購入出来るとする。あなたなら次のどちらのカードを購入するだろうか。
1.2500円で販売されている5000円のiTunesカード
2.無料でもらえる1000円のiTunesカード
 
同様のチョコレートを用いた実験の結果から、無料のものを選択する人が圧倒的に多いことがわかっている。つまりほとんどの人が1000円のiTunesカードを選択することが予想される。1000円のiTunesカードで得するのは1000円、5000円のカードで得するのは2500円にも関わらずである。「無料」に魅了されてその他の選択肢を排除してしまったら、損をする危険があるということだ。
 
「小さい変化には敏感だが、大きな変化には鈍感」という感覚は、人は「小さい数値のほうを過剰に評価してしまう」ということでもあるので注意をしたい。
 
(参考文献:予想通りに不合理/ダン・アリエリー著 )
 
マックメム店長 猪川紀夫
 
MacのメモリーテスターRember