kyokucho/宮田健の気分はブルースカイ:第42回 武蔵野の秘境にMITAKA-SEAは実在した!

気分はブルースカイ

こんにちは、kyokuchoです。

東京、三鷹に、東京ディズニーシーを超える海のテーマパークがあることをご存じでしょうか。これでピンと来た人はご存じかと思いますが、昨年末放映されたテレビ朝日系の深夜番組「タモリ倶楽部」で紹介された、MITAKA-SEAこと海上技術安全研究所の一般公開に参加してきました。ここには、マーメイドラグーンシアターより美しい、キャビテーショントンネルや、カリブの海賊をも超える80m角水槽などが並ぶ一大テーマパークだったのです!(今回、ディズニートークはここでほぼ終了)

話を戻しますと、科学技術週間にちなみ、いろいろな研究機関がその内容をわかりやすく一般公開するという行事が各地で行われていて、その一環で海上技術安全研究所も4/18に一般公開されました。元々は(おそらく)地元の方くらいしか知らなかったこの施設もテレビ放映により一躍人気スポットに。そして私のような、その存在も知らなかった人が大挙して押し寄せた模様?です。入り口には、海上技術安全研究所の立派なプレートの下に、どう見ても安いカラープリンタで拡大出力した「MITAKA-SEA」の文字が(笑)。研究員の方々も分かっていらっしゃる。そしてそこには海技研のゆるキャラ、センパ君も健在(ちなみにセンパ君のおなかのマークは、漢字の海を図案化したものだそうです。王道も王道のデザインです)。

と、おもしろおかしく取り上げられるのはここまで。ここで実際に見られる/体験出来る展示内容は本格的。たとえば次世代の海運を担う可能性もあるスーパーエコシップの研究展示では、リモコン模型を作ってその挙動を子供たちが実際に運転出来る内容になっていたり、プロジェクターを数台使った本格的な東京湾運航シミュレーションなども実際に体験出来るものとなっていました。これを見ていて本当に面白かったのは、子供たちはゲーム感覚で楽しんでいる間に、大人達はそれを見ながら熱心に研究員の方と質問のやりとりをしており、家族で楽しんでいるという姿が方々で見られたこと。これ、最近はめずらしい光景になってしまいましたよね。

当初はいつものタモリ倶楽部テイストな「テーマパークカッコ笑い」という印象になるかと思っていたのですが、なかなかどうして知的テーマパークになっているではありませんか。わずか1日(しかもたった6時間)のためだけにいろんな準備をして、しかも立ちっぱなしで一生懸命日頃の研究を子供たちにもわかりやすく説明している研究員の皆様の姿は、何か東京ディズニーランドのキャストの姿に重なった気がします。それはなんでだろう、と思ったのですが、きっと「自分たちが必死に、そして楽しく研究している内容を是非知ってもらいたい」というキモチが現れていた結果ではないかと思います(特に砕氷船の挙動を研究する氷海船舶試験水槽は、研究員の皆様の熱意が伝わってきていて3回も極寒の施設に入ってしまいました)。普段はこういった知的好奇心を揺さぶるような展示は見られないので、本当に楽しい一日を過ごすことが出来ました。

考えてみると、ディズニーはテーマパークとしてこういった科学系のものを手がけてもいたりします。それはフロリダ、ウォルト・ディズニー・ワールドのテーマパークの一つ、EPCOT。ここでは土を使わなずに野菜を育てる技術の研究や、様々な先進技術のプレビューを行っている施設が公開されています。元々のEPCOTのテーマがそういった実験的未来都市の作成なのでぴったりではあるのですが、やっぱり、本物の研究者が実際に行っている研究を目の前で見せてくれるというインパクトにはかなわないものがあります。今、日本の博物館などはいかにして子供たちに興味を持ってもらうか頭を抱えているという報道もありますが、持っているコンテンツはディズニーのテーマパークよりもずっと面白いものかもしれないですから、ぜひこのような一般公開の場を設けてもらって、親子で楽しめる場所になるといいなあ、と感じました。

ちなみにそのMITAKA-SEAこと海上技術安全研究所、毎年4月と7月(海の日のあたり)に一般公開が行われているそうです。今回見逃した方はぜひ7月に行ってみませんか?

では!

(kyokucho/宮田 健)

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