みなさんこんにちは、遠藤です。
前回はお正月の植物としてウラジロのお話をしました。今回はお正月の植物の話として欠かせない門松のお話です。
みなさんは今年、門松はご覧になりましたか?
では、何種類見つけられましたか?
えっ、門松に種類があるの?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、今年私が都内をあるいて見たところでは大きく分けて三種類の門松を見かけることができました。
ひとつめは(タケ斜め切りタイプ)
このタイプは最もオーソドックスで、最もよく見られるタイプなのではないでしょうか。マックメムの新年のバナーにも使われていましたね。
ふたつめは(タケ水平切りタイプ)
東京では比較的珍しいと思うのですが、私はこのお正月何回か見ることができました。たとえば、新宿の高島屋タイムズスクエア店や、秋葉原の日本通運ビルの門松はこのタイプでした。
同じ高島屋ならみんな同じタイプの門松を飾るのかなと思い東京都下の立川にある高島屋立川店に出かけてみましたがこちらは斜め切りタイプの門松でした。
高島屋ではこれら、2つのタイプの門松のうちどちらを建てるかはどうやって決まっているんでしょうね。
3つめは(シンプル松枝タイプ)
門松は元々は正月、家の内外に立てる生木のことで、門口に松を立てる例が多いので門松と言われるようになったそうです。ですから、このシンプルタイプがもっとも門松の本来の姿に近いのかもしれませんね。
いつしか、松竹梅の取り合わせがおめでたいとして、だんだん大きな<タケ斜め切りタイプ>や<タケ水平切りタイプ>へと発展していったのかもしれません。
シンプル松枝タイプは価格の面からか住宅地で多く見かけました。
このお正月、私は門松に注目して過ごしてみて初めてわかったことがあります。
それは<タケ斜め切りタイプ>と<タケ水平切りタイプ>とはタケの切り方が異なるだけではなく、使われているタケの種類も異なっていたのです。
門松になるような茎(タケの場合には桿(かん)といいます)が太く、青々したもので、入手しやすいタケは2種しかありません。それはモウソウチクとマダケです。タケを茎だけで種を見分けるのは本来とても難しいのですが、幸いなことにモウソウチクとマダケには茎だけで両種を見分けることができる特徴があるのです。
それは茎の節のリングの数です。
まず、斜め切りタイプの門松のタケの節を見てみましょう
このように節のリングは1本です。
このように節のリングが1本なのはモウソウチクの特徴です。従ってこの門松に使われているタケはモウソウチクであることがわかります。
つぎに、水平切りの門松を見てみましょう、
このタケの節にあるリングは2本ですね。
このように節が2本あるのは、マダケの特徴なんです。
できるだけ多くの門松を見てみましたが、必ず斜め切りの門松はモウソウチク。水平切りの門松はマダケを使っていることがわかりました。
門松1つでも観察してみるといろいろ発見があるものですね。
実は地方によっては門松といいながらも全くマツを使わない地方もあり、日本の門松を分類したら、きっと何十種類もあるのだと思います。
あなたのまわりでみた門松はどのようなものでしたか?