kyokucho/宮田健の気分はブルースカイ:第19回 日本版ディズニーチャンネルスタートに思う

気分はブルースカイ

こんにちは、kyokuchoです。PowerBook12インチでの執筆も慣れてきました。パンサーにしてからはことえりを利用していますが、今までに比べると普通に利用ができるレベルになっていて本当にびっくりしました。OSとの相性もばっちりですし。アップルジャパンもなかなかいい仕事をし始めましたね。ということで、今回のお話はディズニー・ジャパンのお仕事を。

ミッキーマウスの75回目の誕生日にあたる2003/11/18に、日本でも待望の「ディズニーチャンネル」が放映開始となります。最近ではテレビCMも放映され、CSのキラーコンテンツとして更なる普及に拍車がかかるのか、とても気になるお話ではあります。アメリカでのディズニーのコンテンツビジネスでは、映画をヒットさせて、そのキャラクターを使った続編ビデオをパイロットとし、そのままTVシリーズを作成するという流れをほぼ確立しているので、日本でもディズニーチャンネルが登場することにより映画および続編の公開時期がかわってくるものと予想(期待?)されます。

アメリカでのディズニーチャンネルは、午前中はプレスクールの子供向けのコンテンツを、プライムタイムでは怪傑ゾロやデビー・クロケットなど、子供の頃からディズニー漬けになっていた大人向けの映画などを放映しているのですが、日本でもほぼ同様の構成をとってくるようです。ここでは前者のプレスクール層の番組、「Playhouse Disney」を簡単にみていきましょう。なぜなら、アメリカでちょっとだけみていたときにここの部分しか理解できなかったから(笑)。

まず、歌のお兄さんお姉さんと一緒に遊ぶ「Out of the Box」。子供たちとダンスなどをしながらいろいろなことを学びます。これはまさに日本の「お母さんといっしょ」でしょう。面白いのは、お兄さんとお姉さんが本当にいろいろな出身の方が出演しており、こういうのを白人のみで行ってしまうと「人種差別」として訴えられてしまう可能性のあるから、というのがアメリカらしいなあ、と思います。この番組自体はローカライズされないようですが、日本でもほぼ同様の番組を独自に制作することが決まっているようです。また、日本でもビデオが先行発売されていたパペットによる「Book of Pooh」や、セサミストリートなどを手がけるジム・ヘンソンスタジオによる「Bear in the Big Blue House」(邦題:ノック!ノック!ようこそベアーハウス)なども放映されており、子供たちは釘付けになってしまうような内容となります。

中でも、kyokuchoがフロリダでライブショー(もちろん直球で子供向けのものに一人で潜入)で一目惚れしてしまった、「Bear in the Big Blue House」は、英語の勉強にも非常にいい内容で、毎回一つの英語をキーワードにして、青い家に住むベアと仲間たちがいろいろなことを勉強していくと言う、すばらしい内容になっています。先に書いたようにセサミストリートのスタッフによるものなのですが、これらの番組は他の国からの移民の方がよくみるそうで、子供たちがこういう番組を見続けることで、親よりも早く英語をしゃべれるようになるらしいです。また、そのストーリーもかなり秀逸で、毎回毎回さまざまな登場キャラクターが生き生きと(それこそパペットとは思えないくらいに)動いており、音楽も非常にキャッチー。ベアが大好きなCha-Cha-Chaなどはアメリカの子供で知らない人はいないくらいのようで、先のライブショーではイントロがちょっとかかっただけで、周りにいる子供たちのスイッチがカチッと入る音が聞こえるかのように、ぶんぶんと踊りだし始めたのがものすごく印象にのこっています。あと25年くらい若かったら私もスイッチがはいってました(笑)。

・・・で、これをふまえての日本版ディズニーチャンネルですが、あくまでkyokucho個人の意見としては、日本でのディズニーチャンネルは固定ファンは付くものの、決して楽観できる状態ではないと考えています。理由は1つ、日本におけるディズニーチャンネル的存在が既に定着してるからです。それはもちろん、NHK教育。改めて考えると、このNHK教育の持つ膨大なコンテンツと過去の実績をふまえた番組構成はアメリカにおけるディズニーチャンネルに匹敵、いやそれを超えるほどの実力を持っていると私は考えています。そうなると、ディズニーチャンネルはどうしても持ち味の「キャラクター」を前面に出してくるしかないと思うのですが、お金を払ってまでミッキーマウスの作品がみたいかというと、それもまた難しいと思うのですね。だって、ミッキーマウスが短編作品など、映画として知っている人よりも、「着ぐるみとしてのミッキー」の方が日本ではメジャーだからです。

実は私が考えていたディズニーチャンネルの日本進出は、ディズニーの日本法人によるものではなく、オリエンタルランド(東京ディズニーリゾートの運営母体)によるものであると強く感じていたんです。そうすれば、ディズニー本家から少しだけコンテンツを借りてくるのみにして、ほとんどを東京ディズニーリゾートの宣伝に近い番組構成にできる。この方が、東京ディズニーランドからスタートしている日本のディズニーファンにはうれしいはずなんですね。そうではなくアメリカのディズニーチャンネルをほぼそのままの構成で日本に持ってきてしまうと、ディズニー文化の違いから、想像以上にニーズがないのではないかと不安になってしまいます。だって、かなりのディズニーファンだと自分でも思っているkyokuchoは、この日本版ディズニーチャンネルにまったく食指が動かないんですから。まあ、その理由で一番大きいのは、既にキッズステーションで「Bear in the Big Blue House」が見られるからなんですけれども。ディズニーチャンネル、なんでこんな大事なコンテンツを他社に渡しちゃうかなー・・・。

それでは!
(kyokucho/宮田 健)

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