こんにちは、kyokuchoです。
さて、先日久々にUSJに行ってきました。2年ぶり2回目。夏休みにはいって最初の週末なのに想像以上に人が入っていない(といっても最大1時間くらいの行列は出来ていましたが)。大丈夫なのかなあと思いつつかなり楽しんできました。
で、アトラクションも楽しみだったんですが、それ以上に楽しみにしていたのはある情報。あの幻のキャラクターがUSJに存在しているという話を聞いていたので、スタジオ内でずーっと「それ」を探していました。その幻のキャラクターとは・・・。
この写真を見てどう思いますでしょうか?似てますよねえ、東京Dランドのあの黒ネズミと(笑)。それもそのはず、このキャラクターの生みの親はあのウォルト・ディズニー。このキャラクターには実は不遇の歴史があるのです。今回は黒ネズミによく似たこのキャラクターがなぜUSJにいるのか?というお話を。
ウォルト・ディズニーはミッキーマウスの創造で有名になったというのは正しいのですが、実際にはそれ以前にも様々な活動を行っていました。ウォルト・ディズニーが初めて映画界に殴り込みをかけた映画とは、実写とアニメーションを融合した画期的な「アリス・コメディー」という作品を1923年(ミッキーマウス生誕の5年前)に発表し、ある一定の成功を収めます。そのシリーズが2年くらい続くのですが、映画会社のカール・レムリが、「ウサギを主人公にした漫画が欲しい」と配給会社に対して言ってきたのです。この話に対し、配給側のミンツ氏はウォルトのスタジオにこれを依頼、実際の作画を担当しているウォルトの右腕アニメータ、アブ・アイワークスとウォルトが苦労して作り出したのは「幸せウサギのオズワルド」でした。このシリーズはアリス・コメディー以上のヒットを生み出し、キャラクター商品まで発売できるくらいになりました。このカール・レムリが率いる映画会社こそ、「ユニバーサル映画」だったのです。
これでウォルトは大もうけ・・・と思うかもしれませんが、このころにはあまり著作権というものが存在していることもあまり考えられていなかった頃で、キャラクターグッズが売れてもウォルトは「いい宣伝になる」としか思っていなかったようです。それ以上にウォルトは、シリーズの作品をもっとクオリティを上げようと、いかにしてアニメータを雇い入れ、作品制作のペースを上げようかと苦悩していたようです。
ウォルトはこのとき、作品の大ヒットという成績を持って、それに見合う金額が配給のミンツから受け取れると信じて疑っていませんでしたが、契約更改の時にミンツから出てきたのは「以前よりも少ない制作費で作れ。それが出来なければ、オマエのスタッフと『作品』はオレのものだ」という言葉。ウォルトは耳を疑いましたが、これはミンツによる、契約書に従った「乗っ取り」でした。結果的には右腕アブ・アイワークス以外のスタッフを全て引き抜かれ、自らが作ったオズワルドも奪われてしまうのです。オズワルドを失って絶望の淵にあったウォルトが、その帰りの汽車の中でミッキー・マウスを作り出した、といわれているのは有名な話です(事実なのかどうかはウォルトしか知らないのですが)。
結果的にミンツを通じてこの「幸せウサギのオズワルド」はユニバーサル映画のものになっていたのですが、結局ウォルトなしでのヒットは望めず、伝記や資料の中でしか存在しないものでした。が、突然今になってそのオズワルドがなぜか表に出てきたというのが非常におもしろい現象だとおもいます。上記の写真をみると、実はUSJ開園時からあったのではないかとは思いますが、最近ではUFOキャッチャーの景品でもこのオズワルドが登場しているとのことです。こうなると今のタイミングでオズワルドが登場してきたのはなんらかの意図があるのではないかと勘ぐりたくなります。だって、ディズニーの版権を使わずに似たようなキャラクターを使えるんですから。
で、私の希望。こうなったらユニバーサル映画のDVDとして、この「幸せウサギのオズワルド」をリリースできませんか?この作品は私も実際に動いている映画を見たことがないですし、資料としてもとっても貴重。せっかくオリジナルグッズが出てきているんであれば、もう一歩がんばって是非これをメジャーな物にしていって欲しいです。なんなら今復活して新たに短編シリーズとして、ディズニーに対して殴り込みをかけてほしいところ。そうしたらディズニーも絶対に焦りますし、ミッキーマウスの新たなシリーズも期待出来てしまうのではないかと。ひょんなところから登場したウォルトの忘れ形見がキャラクター業界をひっくり返してくれると、停滞してしまっているディズニーのキャラクター界も活性化してくれるんじゃないかと思います。
ただ、USJもこの2つしか見つけることが出来ませんでしたので、望み薄ですかね(泣)。。
では!
(kyokucho/宮田 健)