kyokucho/宮田健の気分はブルースカイ:第67回 アトラクションもリサイクル

気分はブルースカイ

こんにちは、kyokuchoです。

東京ディズニーランドではハロウィンイベントも佳境。今年の新しい試みとしては、パークオープン当初から人気のアトラクションであるホーンテッド・マンションがこの時期だけリニューアルし、幅広いファンを持つティム・バートン監督の映画「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」のモチーフを取り入れた「ホーンテッドマンション”ホリデーナイトメアー”」に模様替えしており、体験した方からは驚きの声が上がっています(個人的には、普段待ち時間がほとんどないこのアトラクションが3時間待ちという状況に一番驚いていますが・・)。このように、最近のディズニー・テーマパークは、既存のアトラクションを模様替えすることで新たな体験ができるような仕組みを提供していることが見受けられ、それらがほとんどの場合成功しているようです。

同一ハードでソフトを変える代表例が東京ディズニーランドにある「カントリーベア・シアター」。ここは毎年夏になると「バケーション・ジャンボリー」に、クリスマスには「ジングルベル・ジャンボリー」に、通常時は「カントリーベア・ジャンボリー」と3種類の「ソフト」が上映されていますが、実際のオーディオアニマトロニクス(ここの場合はクマ)、つまり「ハード」はほぼ通年で同一です。同じような仕組みを先の「ホリデーナイトメアー」や、イッツ・ア・スモールワールドのクリスマス版「ベリーメリーホリデー」で行っています。

また、期間限定でデコレーションを変更するような変更以外にも、アトラクションのソフトをガラリと変えてしまう例もあります。東京では「魅惑のチキルーム ゲット・ザ・フィーバー」がそれ。また、同じアトラクションでもまた異なるソフトでリニューアルした事例があり、フロリダのマジック・キングダムではライオン・キングのザズーとアラジンのイアーゴというディズニーが誇るスター鳥を投入し、今風のポップな内容に再構築した「魅惑のチキルーム・アンダー・ニュー・マネージメント」というアトラクションに変更されています。そのほか非常に驚いた事例としては、東京にもあったビジョナリアム(現在はバズ・ライトイヤーのアストロブラスターとなっています)で利用されていた360°全周スクリーンを、ロスのパークではこのアトラクションのクローズ後、新アトラクションの待ち行列のラインの一部として利用していたこと。かつてアトラクションの目玉だったシアターを、そんな再利用の仕方をしてなんて豪勢なアトラクションなんだろうと感心した記憶があります(ただ、その「ロケットロッド」というアトラクションはびっくりするほど短い期間でクローズとなってしまいましたが・・・)。

それ以外にも、東京でも有名なスター・ツアーズのハードをそのままに、自分たちをミクロ化して体内への旅を体験する「ボディウォーズ」というアトラクションが作成されていたり、ライドもの(レールが敷いてあってそれに沿ってライドが動く一般的なアトラクション)のレールをそのまま利用し、展示物だけを変更した事例がいくつもあります。たとえば東京ではハイテクを駆使したレールなしのライドが稼働する「プーさんのハニーハント」も、フロリダではレールによる旧来のライドの仕組みを再利用し、運営されています。

このような手法を取ることについては、2つの理由があると考えられます。1つはパークに新たなアトラクションを立てる場所がもうほとんど存在しないこと。フロリダのウォルト・ディズニー・ワールドは別ですが、ロスや東京のパークにはこれ以上拡大できないという事情があります。しかし、リピーターをつけるためには新たなアトラクションを追加し続けなければいけないという宿命があるため、リニューアルという形で新たな体験ができる場所を作っています。そしてもう一つは費用。新たにアトラクションを建設するにはとんでもない費用がかかります。たとえば、東京ディズニーシーの場合、来年公開予定のローラーコースター型アトラクション「レイジング・スピリッツ」には約80億円、さらに2006年に公開予定の文字通りのキラー(?)アトラクション「タワー・オブ・テラー」はなんと約210億円もの費用を投じる予定なのです。それに比べれば既存の施設を流用したほうが(いくぶん)安くあがるというもの。そのため、同じハードで異なるソフトを持ってくるという戦略がとられているわけです。

ウォルトはロスのディズニーランドをオープンしたときに、「この国は永遠に完成しない」と述べました。これは、いままで携わってきた映画の場合、一度完成してしまうと手を加えたくても簡単には修正できないことが根本にあります。映画を立体化した世界、つまりテーマパークでは気になるところがあればどんどん新しいアイデアを取り入れることが出来るわけです。しかしそれには当然ながら場所とお金が必要。その「夢」と「現実」とをうまくすりあわせた結果が、大きな効果を上げているというのはとても素晴らしいことだと思います。今後はどのような方法で私たちを驚かせてくれるのか・・・実に楽しみな場所ですね。

では!
(kyokucho/宮田 健)

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