警察とドライバーとMac互換機とライセンス。人は社会のルールに従う者を応援する。

某ラジオ番組の投稿で「ネズミ捕りをしている時には対向車にパッシングなどをして、この先でネズミ捕りをしていると教えドライバーの味方をするが、高速道路でスピード違反の車を見ると、追いかけているパトカーを見てがんばれ!と応援をしたりたりしてしまう自分の行動が不思議」というものがあった。

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人は社会のルールに従う者を応援する

人間は本能的に「社会のルールに従うべきだ」と感じて生活しているとされている。そして、ルールに従わない者はルールに従わせたい、ルールに従わない者は罰したい、という欲求をもっていることが研究でわかっている。
 

高速道路でのスピード違反の場合

さて、前記の現象は、まず高速道路でのスピード違反の場合。

高速道路では通常ドライバーは100キロ前後で規則に従って、皆が足並み揃えるように走っているのだが時々、後ろから猛スピードで車のその流れを乱すように、車列をかきわけるように追い抜いていく車がある。

こういう車は大変危険なわけで、ルールを守っているドライバーからすると、ルールを守らないドライバーとっちめてやりたい感情がわいてくる。ゆえに自分に代わって、とっちめてくれるパトカーを応援するのは当然の感情だ。
 

ネズミ取りの場合

では、警察がねずみとりでスピード違反の取締をしている場合、人はどう感じるか。

ねずみとりでの取締というのは、ドライバーがついついスピードを出してしまいやすいところを選んで行われることが多い。ドライバーがスピードを出すつもりは無いのに出やすい道をわざわざ選んで行うわけなので大多数のルールを守ろうとしているドライバーからすると、無理やり捕まえようとしている風に見えてしまう。

そのため、警察はやりすぎだぞ!ずるいぞ!汚いぞ!という感情が湧いてくる。つまり警察のやりかたは社会のルールにそっていないと感じ、そういうやりかたに抗議する意味合いもあって、他のドライバーを助けてあげようという気持ちが発生する。
 

AppleのMac OSのライセンス供給

さて、かつて1990年代中頃、MacOSのシェアは低迷しており、それを打破するためにAppleはMac OSのライセンス供給を行っていた。つまりMacの互換機が世に存在していたのだ。

ところがジョブズがAppleに復帰後、1997年にMacOSの互換機へのMacOS8のライセンス供給をしないと突然決めてしまった。
 

ジョブス復帰によるOSライセンスの停止

この頃Mac互換機メーカーはなんとかしてMac業界を盛り上げようと頑張っていたにも関わらず、ジョブズは彼らを”Appleの血を吸うヒル”と決めつけて一方的にライセンス供給を停止してしまった。余りのジョブスの横暴さに、Macユーザーは互換機メーカーへ同情心が強まった。

Mac互換機大手のPower Computing社は”警察に止められたドライバーが、警官に免許証(ライセンス)を見せるように言われている場面”(下の写真)のものを使い、Shit!(くそ!)と互換機メーカーの気持ちを適確に表現し、ユーザーは同情と共感をよせた

ちなみに自分たちはAppleよりもスピードを出しすぎたために捕まってしまったという言い分をさらっと主張しているあたりはさすが。

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