春となりました。
桜が満開です。
世に桜の歌はたくさんありますが、自分がとりわけ好きな歌はユーミンの「経る時」。
歌詞の諸行無常感が素敵です。
薄日の射す枯木立が
桜並木であるのを誰もが忘れていても
何も云わず やがて花は咲き誇り
かなわぬ想いを散らし 季節はゆく
どこから来て どこへ行くの
あんなに強く愛した気持も憎んだことも
今は昔
そして歌の最後のフレーズ
四月ごとに同じ席は
うす紅の砂時計の底になる
空から降る時が見える
さびれたこのホテルから
桜の散る姿を砂時計の砂が落ちていくさまに例えているわけです。
そして、物理的に花びらが「降る」様子と、時間が経過する「経る」をかけているあたりが絶妙です。
ああ、諸行無常。
Youtubeに「経る時」をカバーされている方がいらしたので、以下に埋め込んでおきます。
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そして、春の描写が素敵な小説は角田光代の「名前」です。