遠藤のモバイルガーデン:一枚の写真から どうしてこんな所に?

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遠藤です。みなさんこんにちは。

街を散歩すると、なんでこんな所に?ということころに、植物が生えていることがあります。

先日も、こんな所を見つけました。
 

古い建物の入り口なのですが、雨どいの受け口の所に何か植物が生えていますね。もうちょっと拡大してみてみましょう。
 

葉のかたちからクワという植物だと思われます。

この入り口の反対側も見てみました。
 

こちらにも、何か、緑色のものが見えますね。
 

拡大すると、こんな植物が生えていました。
やはり、葉のかたちから、赤い矢印の植物はイノモトソウ、青い矢印の植物はヤブソテツという植物のようです。

この写真からどんなことが分かったら、おもしろいでしょうか?
私はこの入り口の両側の壁に生えている植物がどうやって、ここにやってきたのかが分かったら、おもしろいだろうと思いました。

みなさんは、どうやってこの植物がこんな変なところにやってきたと思いますか?

タンポポの果実のように風に飛ばされてやってきたのでしょうか?それとも、果実を鳥が食べて、フンという形で種子をここに落としていったのでしょうか?

それぞれの植物がどんな風に種子を散布するかは図鑑を見ても書いてありません。しかし、今までのモバイルガーデンを読んでくださった方なら、この問題に答えるのはそんなに難しくはないはずです。

まず、今回の場合は名前が分かっていますから、図鑑やwebで検索してそれそれの植物についての情報を調べてみましょう。

普通は、図鑑を調べたりweb検索をしても壁にどうして生えているかなんてことは書いてありません。それではどうやって調べればいいのでしょうか?

クワを図鑑で調べると

・・・果実は初夏に黒紫色に熟し食べられる。・・・

なんて書いてあります。食べられるんですって!、ということはどうですか?動物に食べられてその動物が遠くでフンをした中に種子が残っていて子孫を残すタイプの植物なんだってことが分かりますよね。

さて、今度はイノモトソウと、ヤブソテツですが、両方とも図鑑を引くとシダ植物だってことが分かります。

例えばこんな風に書いてあります。

・・・ヤブソテツは草本性シダ植物で、日本では岩手県南部を北限とし、中国、朝鮮半島インドシナ、タイにも分布する。・・・

シダの果実や種子はどうなっているのかというと、シダ植物は実は果実や種子はできません。みなさんは中学校で習ったはずだと思いますが、シダ植物は「胞子」と呼ばれる特別な生殖細胞を使って子孫を増やします。さらに、web検索等で「胞子」を検索してみると

例えば、ゼンマイというシダ植物の胞子の入った袋の大きさは1つ0.5mmで、その中に胞子がたくさんはいっており、袋が破けると胞子を「風に乗せて四方に飛ばします」と書かれています。

これで、どうして、イノモトソウと、ヤブソテツが壁に生えているのか分かりましたね。

クワは、たぶん鳥に食べられて、そして、イノモトソウとヤブソテツは風に乗ってそれぞれ、建物の入り口にたどり着いたのだと思います。

そう思って写真を見直すと、シダ植物が生えている方には鳥が留まれるような所はありませんが、クワの生えている所はちょうど、雨どいが出っ張っていて、鳥がとまるのには良さそうですよね。

こんな風に、図鑑やwebを使うと、植物観察がより楽しくできると思います。
みなさんも、なんであんな所に植物が生えているのかなと思ったときには、名前が分かればすぐに今回みたいに調べることもできますし、名前が分からなくても、果実ができるまで1シーズン観察できれば果実のタイプを実際観察することで想像することができると思います。
 
 
 

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