kyokucho/宮田健の気分はブルースカイ:第22回 ハッピー・ホリデー

気分はブルースカイ

こんにちは、kyokuchoです。ここ数年の日本の「クリスマス」をみると、だんだんとその時期が早くなってきているのではないかと思います。個人的には東京ディズニーランドがその発端になっているのではないかと思っています。CMではもう完全にクリスマスの雰囲気ですからね。以前東京ディズニーランドに遊びに行ったときは9月末なのにすでにハロウィンでしたし、なんか季節感がめちゃくちゃになってきているような気が(笑)。さて、今回はクリスマスを題材にしたある作品を元に。

クリスマスを題材にしたディズニー関連作品としては、クリスマスプレゼントとしてやってきたレディが主人公の「わんわん物語」や、エンディングがクリスマスでやっぱり犬がプレゼントだったピクサー初の作品「トイ・ストーリー」、ディッケンズの作品をディズニーキャラクターでアレンジした「ミッキーのクリスマス・キャロル」などがあげられますが、今回取り上げるのは一コマずつ撮影しては人形を少し動かすという、気の遠くなるような手法、「ファンタメーション」第1弾の作品「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」。

鬼才、ティム・バートンによるこの作品は、ハロウィンタウンのカボチャ大王ジャックがふと迷い込んでしまったクリスマスタウンをみて「次のクリスマスはハロウィンタウンが主催する!」というからあら大変・・・というストーリーの、不気味なんだけどなぜかかわいいという、監督の趣味が非常によくでている秀作です。この作品は10年前の1993年に公開されたのですが、日本では公開当初はあまり話題にならなかったものの、時がたつにつれ根強いファンが増えているという不思議な作品です。

今回はこの作品を深堀りするというのが目的ではないのでさらりとオープニングの部分だけふれますが、この作品の根底にあるテーマ、「アメリカのホリデーはそれぞれのホリデータウンからやってくる」というのが非常に興味深いと私は考えています。映画にはハロウィンタウンとクリスマスタウンしか登場しませんが、映画の冒頭に登場するホリデータウン入り口の映るシーンには、そのほかにもイースタータウンやバレンタインタウンへの入り口も見えます。初めてみたときに、このオープニングシーンだけでノックアウトされた気分になったことを強く覚えています。

この冒頭の部分ですが、日本とアメリカの考え方の違いがこのシーンにあふれているのではないかと感じました。日本では祝日がアメリカに比べ多く設定されていますが、そのほとんどがその意味を感じずに過ごしているのではないかと思います(元旦はのぞく)。単に仕事に行かなくてもいい、という程度の認識(←まさに私の感覚ですが)。でも、アメリカはホリデーの意味を大事にしていて、それぞれの日を家族で楽しんでいるんだな、というのがこの1シーンだけで伝わってきました。そうでなければ、この映画のような、ホリデーはそれぞれの街からやってくるなどという着想って出てこないんじゃないかと思うんです。

私、仕事の関係で半年ほどオーランドに住んでいたことがあるのですが、その滞在期間の関係でアメリカの2大ホリデー?ともいうべきハロウィンとクリスマスを体験できなかったのが本当に残念で残念で。でも、日本ではあまりなじみのない(当たり前ですが)独立記念日はラジオで聞こえてくる曲がGod Bless AmericaだったりAmerica, the Beautifulだったりそれっぽいものばかりでしたし、街をあげてホリデーを楽しんでいました。そしてハロウィンが近づくにつれアパートの様子がトリック&トリートなデコレーションが飾られ、子供たちが楽しみにしている姿が見て取れました。私は帰国してしまっていましたが、当日は会社の中で(!)仮装大会が行われており、ふつうの格好をしている人の方が目立つという状態だったらしく、本場は違うなあ、と思った次第です。

まあ、日本では祝日がそれぞれカタい印象しかないというのもあるのですが、アメリカから輸入されたホリデー、日本の「ハロウィン」や日本の「クリスマス」をみると、家族で楽しむという印象のあるアメリカのそれとはやっぱり違う方向のホリデーになっているような気がしてなりません。恋人たちだけのクリスマスってのもいいんですが、家族で楽しむクリスマスもいいと思うんですけどね。ただ、その恋人のための「クリスマス」を先頭を切って展開しようとしているのが東京ディズニーランドだったりするので、何ともいえない気持ちになるのですが・・・

では!
(kyokucho/宮田 健)

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