バイクは危険な乗り物
以前バイクについて書きました。
最近バイクに乗り出した新参者の感じること。それは、バイクって事故ったら危険だなということです。
バイクは体むき出しで、時速60km(高速なら100km)以上出しているわけですから、事故ったら体が吹っ飛びます。
実際に事故での死亡率が高いのはクルマよりもバイクです。
平成30年に警視庁から出された統計では、
クルマの保有台数約7,500万台に対して、死亡者は1,221名
バイクの保有台数約360万台に対して、死亡者は448名
クルマの死亡率は0.0016%に対してバイクは0.012%、と7倍以上高くなっています。
クルマの安全基準
クルマの人を守る文化は凄まじいです。
シートベルトがあり、エアバッグがあり、車内が潰れないようにクラッシャブルゾーンあり。
運転席や助手席にダミーを座らせて、クラッシュテストをしている動画を誰もが一度や二度は観ているはずです。
メーカーは自社のクルマで人命が奪われないように凄まじい努力をしています。
バイクの安全基準
ところが、バイクでは安全に関する考えは、ほぼありません(苦笑)。
唯一あるのがヘルメット。そのヘルメットもとりあえずかぶっておけばOK。テキトーに斜めにかぶっていても警察から注意を受けることもありません(米国ではヘルメットさえも義務化されていない州もあります)。
肘や膝を守るプロテクターも義務化されていません。
バイクの死亡事故で多いのが胸を強打して死亡するケースですが、胸を守るチェストプロテクターも義務化されていません。
バイクから体が離れるとエアバッグのように膨らんで体を保護する服なども開発されているのに、それを義務化するに至っていません。
バイクの安全と個人の自由
最初に言っておきますが、自分はバイクを否定しているつもりはありませんし、現在の基準で不満はありません。
ただ、バイク初心者として客観的に見ると、バイクはすごい危険な乗り物だと感じるわけです。
なんで、バイクの安全基準はこんなにゆるいのでしょう?
想像するに、これは個人の自由と権利の問題なのでしょう。
事故にあって死ぬリスクとバイクに乗る楽しさのトレードオフなのかなと。
バイクに乗る権利・バイク事故で死ぬ権利
もし、国が死亡事故を真剣に0に近づけようとするならば、バイクの安全基準を上げるか、バイク自身を禁止するかのいづれかしかありません。
現在の技術やコスト面で安全基準を上げるのは難しいとして、「バイクは禁止します!」と仮に法律で定めたとします。するとバイク愛好家が「バイクに乗る自由を奪うな!」とデモを起こすのではないでしょうか。
バイクに乗るのも自分の勝手、事故にあって死ぬのも自分の勝手、国がとやかく言うなというわけです。
で、この考えは米国の銃文化に似ているなとふと思いました。
日本人から見れば、銃なんて危険なので完全に禁止にすれば良いように思うのですが、実際に銃を持っている米国人は「銃を持つ自由を奪うな!」と主張するわけです。
バイク愛好家からすれば、バイクと銃を一緒にするな!と怒られそうですが、”危険と言う理由だけでは個人の権利を侵害できない”という観点では同じように感じます。
つまるところ個人の権利がある限り、バイクは無くならないし、銃も無くならないだろうなと思った次第です。
おまけですが、最近は電動スクーターが悪者になっています。スピードはそんなに出ないですが、これもある意味バイクの仲間ですから危ないと言えば危ないです。手軽にアマゾンなんかで買えるからちょっとたちが悪い。