中国人の爆買
中国人がカナダやオーストラリアの住宅を買っている影響で、不動産が高くなりすぎて地元の人が住めなくなっているというような報道を観たことがあります。また日本では、東京湾岸のタワマンや北海道の土地を買い占めているというような噂も聞いたことがあります。
また規模は違いますが、少し前までは、秋葉原や銀座に観光バスで乗り付けて家電や化粧品を爆買をしていたのは記憶に新しいところです。(最近はなくなったのかな?)
これまた聞いた話では、上海のスタバのコーヒーの値段が日本よりも高いとか。
これだけの情報だと、中国人ってたくさんお金を持っているイメージがあるわけです。
一方で、ちょっと前まで世界の工場みたいなことが言われていて出稼ぎ労働者が低賃金で働かされているというような報道もありました。アップルもその低賃金労働の片棒をかついでいると非難されたこともありました。
中国人は金持ちなの?貧しいの?どちらなのか不思議に思っていました。
中国人の階層
実は自分は最近知ったのですが、中国には2つの階級(戸籍制度)があって、国民は1〜2割の都市戸籍者と8割以上の農村戸籍者とに分けられるそうです。
そしてざっくり言うと、農村戸籍の人は(多少例外を除いて)農業をするか低賃金の出稼ぎ労働をするかしかないのだとか。職業選択の自由なんてものは存在しないわけです。
つまり一部の都市戸籍者が、圧倒的多数の農村戸籍者を安く使うことで、多くの利益を得ているという構図のようです。
かつて米国南部で黒人奴隷を安価な労働力として利用し、白人が裕福に暮らしていました。しかし米国は差別的という理由で奴隷制度を撤廃しました。でも、中国はあえて現在でもその制度を残しているというわけです。
基本的人権なんてものは全くなくてひどい差別だなと思いますが、中国は共産主義ですからしょうがないのでしょう。
ちなみに中国と日本のGDPの比較です。2018年は中国約13兆ドル、日本は約5兆ドルとなって
います。
日本は5兆ドルを国民がほぼ均等に振り分けている(正確には日本にも富裕層と、そうでない人にわかれますが大まかな意味で)に対して、中国では13億の国民のトップ1〜2割の富裕層だけでわけていると考えることが出来ます。
となると、13兆ドルを約2.6億人で分配する中国のほうが、5兆ドルを1.2億人で分配する日本よりも上ということになります。なるほど、これなら世界中で爆買ができるわけですね。
果たして日本は?
で、ふと日本について考えてみたわけです。中国と違い、日本には職業選択の自由があるのでみな平等で豊かにくらしています...なんていうのは建前です。
日本は失われた20年というデフレが今でもずっと続いているわけです。そのおかげ、正社員が減り、非正規労働者が増えました。最低時給のアルバイトで生計を立てる人達がたくさんいたり、ネットカフェにしか住めない人がいたりします。
でも、この状況を日本政府は特に積極的に改善しようとしているように思えないのです。なぜなのか不思議に思っていたのですが、ちょっと勘付いてしまいました。
デフレ下では中国のように階級差別をしなくても、自然と一部の富裕層が多くの国民の安い労働力をもとに儲けられる構造になるからなんですね(苦笑)。