kyokucho/宮田健の気分はブルースカイ:第28回 タイトル、やりたい邦題?

気分はブルースカイ

こんにちは、kyokuchoです。

なんか今年の正月映画はあまり盛り上がりがない感じがしました。元気なのはラスト・サムライとファインディング・ニモくらいでしょうか。そのファインディング・ニモ、CMではよくある「感動しました!」「泣きました!」みたいなクサいパターンのものが放送され始めました。あの中で「今まで見たディズニー映画で一番よかった!」という一言があって、ああ、確かにそうだろうな、と思ってしまいました(笑)。と、そんなのを見るとよくわかるんですが、なぜかディズニー系の映画(アニメ、実写問わず)のプロモーション戦略ってどうも間違った感じがします。

特にプロモーションで気になることは「タイトル」。ディズニー映画の配給を行うブエナビスタジャパンは、誰が考えるんだ?!と思うほどのトンデモ邦題をつける傾向があります。たとえば、ニューヨークのファッションデザイナーなキャリアウーマンがアラバマの故郷に帰る「Sweethome Alabama」がなぜか「メラニーは行く!」になってしまったり、あのジュリー・アンドリュース(←メリー・ポピンズね)が久々に登場し、アン・ハサウェイの好演が印象に残った「The Princess Diaries」が、監督の過去の作品が有名だったというだけで「プリティ・プリンセス」になってしまうなどの経歴が。The Princess Diariesは8月にアメリカで続編が公開される予定で結構楽しみにしているんですが、やっぱりプリティ・プリンセス2になってしまうんでしょうか・・・このまま行くと、ゲーリー・マーシャル監督がホラー作品を作ったら「プリティ・ゾンビ」とかつけられかねない勢いです(余談ですが、日本では「プリティ・ブライド」ってタイトルだった作品も原題は「Runaway Bride」でした)。

それ以外にも、細かいニュアンスがズレてしまうタイトルがあります。たとえば、アメリカでは当時のファンがあのころを思い出した「Peter Pan in Return to Neverland」。これ、日本では「ピーターパン2 ネバーランドの秘密」になります。実に細かいところですが、原題にはない「2」を入れ込んでいるんですね。この作品は日本では大々的なプロモーションを行い、公開前にマクドナルドのハッピーセットをはじめとするものすごい数のタイアップを行ったことにより、日本では一定の成功を納めたという作品です。ファンとしては成功はうれしいものの、興行成績よりもタイアップで成功ってのはちょっとどうだろう、と思ったのも事実です。上記作品の場合はそのタイアップ準備のためにアメリカよりも半年公開が遅れました。そして、最大のつっこみどころはこの映画、別にネバーランドに秘密があるわけではないんですよね(笑)。

ともあれ、以前はトンデモ邦題をつけたり公開時期がむちゃくちゃ遅れるということを繰り返してきたブエナビスタジャパンなのですが、最近は素直になってきたのかな、という印象もあります。過去の事例から言ったら素直に「カリブの海賊」とか「ジョニー・デップのドキドキ大冒険」並みにするかと思ったあの作品も原題そのまま持ってきましたし、正直「ニモを探して」あたりに落ち着くであろうと思った作品までそのまま(おかげで方々から「ファイティング・ニモ」って間違えられてましたが・・・)。ディズニー次回作ブラザー・ベアも原題通りですし、ピクサー作品次回作もほぼそのままの「Mr.インクレディブル」と、あまり一般的ではない単語のタイトルもそのまま採用しているようです。こうなるとなぜかあのころのぶっ飛んだ邦題を見たい気もしてくるから不思議です。昔の作品(映画に限らず音楽とか。特にハードロック系)の邦題は今見てもどれもものすごくかっこいいじゃないですか。だから、ひょっとしたら時間がたてば上記のトンデモタイトルもなじんでくるのかなあ、と思ったりもするんですが、どんな邦題であれ、さっきの「秘密」のようにイメージを壊すようなものはやめて欲しいなあ、と思います。かといって他社事例ですけどもUp the Creekという原題を「史上最悪のボートレース ウハウハザブーン」にまですることはないと思いますが。イメージそのままだけど(笑)。

では!
(kyokucho/宮田 健)

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