遠藤です。みなさんこんにちは。
夏真っ盛り・・・のはずなのですが、東京は雨ばかりで夏とは名ばかりな毎日です。普段の夏でも、スコールのような雨は降りますが、しとしとと降る雨ばかりで、まだ梅雨が明けていないような感じです。
雨と雨のあいだに、思い出したかのように鳴く蝉の声もなんだか、拍子抜けして聞こえるのが不思議ですね。
天気図を見てみると、そんな不思議な天気は東日本だけで西日本のみなさんは「いつもの夏」を楽しんでいることと思います。
やっぱり、夏は暑くないと雰囲気が出ませんよね。
さて、夏の植物というと、ヒマワリと並んでアサガオを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?朝顔市なんて風流ですよね。
朝顔市は普通7月に行われるのが普通ですが、そのころはまだ、つぼみが多く、実際朝顔の花を十分楽しめるのは、8月に入ってからです。
私の近所のお宅でもまだまだきれいな花を咲かせていました。
「あさがお」の最初の意味は漢字で「朝顔」と書くように、朝の顔、すなわち朝おきたての顔のことをいいます。
朝顔を源氏物語で調べてみると、
「人びと、聞こえわづらふを、大臣、「したり顔なる朝寝かな」と、とがめたまふ。されど、明かし果てでぞ出でたまふ。ねくたれの御朝顔、見るかひありかし。」
こんな風に使われていました。あえて、訳はいたしませんが、美少年は寝起きの顔もすてき、といった感じの内容です。
ところで、顔というのは多分「まるい」という意味ですから、朝に咲くまるい花、という意味で「朝顔」という名前が付いたのだと思います。
古くから日本にある植物ですが、アサガオは日本に自生する植物ではなく、中国から輸入されてきた植物です。
朝咲くまるい花だから「朝顔」。
それでは、昼に咲く「昼顔」とか、夕方に咲く「夕顔」とか、夜に咲く「夜顔」なんていう植物はあるでしょうか?
ちょっと考えてみてくださいね。
正解は、なんと全部あるのです。
ヒルガオは比較的都会でもよく見ますよね。フェンスに絡まっていて、朝顔よりも葉が細く、花はピンク色です。
ヒルガオの仲間で海辺に生えるものがあり、「ハマヒルガオ」と呼ばれています。
海岸に生える植物だけあって、以前「海辺に生きる」ここにでお話ししたように葉の表面がつるつるしており、触ると厚みがあることがわかります。
果実ができてたので果実を採集して観察してみました
赤い矢印で示したものは果実の横断面です。まだ若い果実なのでわかりにくいかもしれませんが、アサガオも1つの果実の中に「スイカを3つに切り分けたような」形の3つの種子が入っており、果実の構造はよく似ていることがわかります。
つぎに、ユウガオですが、これは普通に生活していて花を見ることは滅多にありません。私も写真でしか見たことがないのですが、実はみなさんのなじみの植物だと思いますよ。
「かんぴょう」ってご存じですか?かんぴょうはユウガオの果実なのです。
こちらはユウガオの果実です。
この果実の果肉をリンゴの皮むき機のようなもので薄く、長く削ってゆき、乾かしたものが「かんぴょう」です。
最後に、ヨルガオです。
見てもらった方が早いですが、ヨルガオとはこんな植物です。
これは、夕方に撮影したものです。
これは、深夜に撮影したもの。
こちらは翌朝に撮影しました。
ユウガオをヨルガオという地方もあるようですが、こちらが本物のヨルガオです。
写真では大きさがわからないかもしれませんが、花の直径は20cm近くになり、大変強い香りがします。夜に咲く花ですので、虫を呼ぶために月の明かりに最も映える色として白く、そして香りも強くなったのだと考えられます。また、繁殖力も旺盛でツルは高さ10mにも達するそうです。
最後に、アサガオ、ヒルガオ、ユウガオ、ヨルガオのまとめをしてみましょう。
いつ咲く? | 原産地 | なんの仲間? | |
アサガオ | 朝 | 中国・ネパール・東南アジア | ヒルガオ科 (サツマイモなどが この科の植物です) |
ヒルガオ | 昼から 夕方 | 自生(日本の植物) | ヒルガオ科 |
ユウガオ | 夕方 | インド | ウリ科 (キュウリなどが この科の植物です) |
ヨルガオ | 夜 | 熱帯アメリカ | ヒルガオ科 |
アサガオ、ヒルガオ、ユウガオ、ヨルガオ、みなさんはいくつ知っていましたか?