遠藤のモバイルガーデン:スペースフレンド2003 葉っぱのレプリカ図鑑を作ろう

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遠藤です。みなさんこんにちは。

先月、8月22日から8月24日に財団法人宇宙少年団の主催するスペースフレンド2003というイベントに講師として参加しました。

スペースフレンド2003のロゴ

去年に引き続いて私は2回目の参加となりました。去年の様子は2002年10月1日号のモバイルガーデンで紹介していますのでご覧になってください。


去年はポータブルの風洞を開発して、みんなでカエデなどの羽のある果実を風洞の中で回して植物の「種子散布」についての観察を行いました。

今年は、葉の葉脈に注目して葉のかたちと葉脈との関係を「葉脈レプリカ標本」をつくりながら考えてゆくことにしました。

みなさんは植物の葉にいろいろな「かたち」があることはご存じだと思います。葉の縁がつるっとまるかったり、ギザギザがあったり、手のひらみたいになっていたりしますよね。

では、葉脈の種類はどうですか?みなさんは、中学校1年生ででイネやタケなど、平行脈を持つ植物とホウセンカやヒマワリなどの平行脈を持たない植物があることを習っていると思います。覚えていらっしゃいますか?

では、葉脈の種類は平行脈かどうか、それだけなのでしょうか?

そんなことを考えるために、葉のかたちと葉脈がよくわかるように葉の「魚拓」を作ることを考えました。

葉にインクを塗ってそれを紙に転写すれば葉のかたちと葉脈の様子だけが紙に写し取られてそれ以外の葉の色や葉の毛の有無などの不必要な情報を省くことができます。

植物に限らず観察するときには何を見るのかという「観点」が必要です。

まだ小さな生徒さん達が対象でしたので「観点」を持って観察してもらうためには不必要な情報をこちらでマスキングして注目すべき情報を目立たせて渡してあげることが必要です。

今回は葉のかたちと葉脈という情報以外をマスキングする方法として「魚拓」という方法を使ってみました。

できあがりも思ったよりもきれいにできるんですよ。

会場は東京都渋谷区にある国立オリンピック記念青少年総合センターという都会のまっただ中にある施設なのですが、事前調査をしたところ幸いにも街路樹やセンターと外の境界にはいろいろな樹種の木が生えており20種程度の葉を採集することができることがわかりました。

さて、おそろいのTシャツを着た生徒達と一緒に葉のレプリカ図鑑を作ってみましょう。
 

(みんな、何種類採集できるかな?)

葉脈は草にも樹木にもあるのですが、今回はよりきれいな葉脈レプリカ標本を作るために葉の比較的厚くて、しっかりした樹木に絞って観察することにしました。

みんなで一人1枚づつ採集したあと、教室に戻ってきていよいよ「葉脈標本」づくりです

作り方は

まず、葉の裏側に版画用のインクをローラーで付けます。

つぎに、白い紙の上にインクの付いた葉を載せて

今度は、インクの付いていない、きれいなローラーで「ぎゅっ」と1回だけローラーをかけます。

そのあと、そーっと、紙を開いてみると・・・

こんな風に、きれいに葉脈が写し取られます。

ほかの生徒さん達の作品例を見てみましょう。
 

最初はみんなインクを付けすぎたり、力を入れすぎたりして良い物ができないのですが、何回か試すうちに、みんなすてきな作品が出来上がりました。

出来上がった標本はおみやげに持って帰ってもらったのですが、中にはこんな風に「木の葉図鑑」を作った子もいました。

改めて葉脈を見てみると葉のかたちと密接な関係があり、それぞれに物語があるのですが、今回はそこまで深入りはせずに葉ならみんな葉脈は同じなのではなく、種によって葉脈の「模様」が異なる。という点をわかってもらうところまでにしました。科学が好きな生徒ばかりですので、興味のある子なら、あとは自分でできるでしょう。

モバイルガーデンをご覧のみなさんには次回、特別コースとしてこの授業の先、つまり、葉のかたちと葉脈の関係について、もう少し詳しく見ていきたいと思います。
 
 
 

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