夜中のドーナツ屋
米国の留学中の話です。自分の留学した大学はカンザス州という田舎の州で、その中の人口3,000人の田舎町にありました。
その田舎町は夜の10時ともなるとお店はすべて閉まり、開いているのは街道沿いのガソリンスタンドと、ひなびたドーナツショップだけでした。町にはファストフード店やコンビニのようなしゃれたものはありません。
米国の大学は比較的宿題が多く、夜中まで勉強をしなくてはいけないことがあったのですが、疲れてくると、そのドーナツショップに行って、ドーナツとコーヒーで一息ついていました。
そのお店のドーナツの価格はだいたい50セントぐらいで、コーヒーとあわせても1ドルしませんでした。
ドーナツは手作りで、手のひらよりも大きくて、ちょっといびつで、異常に甘いのですが、それが自分にとっては、エナジーバーのように、宿題を完成させるための力となりました。
自分の大学生生活はドーナツと切っても切り離せないものでした。
トヨタ社長 豊田章男氏の米国バブソン大学でのスピーチ
トヨタの社長である豊田章男氏の米国バブソン大学での卒業式のスピーチをYoutubeで拝見しました。
彼は若かりし頃にこのバブソン大学に通い、卒業されたそうです。
自分はこの大学について全く知らなかったのですが、調べてみると、起業家教育に特化したカリキュラムを行う大学とのこと。
有名な卒業生に、イオンの岡田社長、佐藤製薬株式会社の佐藤社長、村田機械の村田会長等がいるそうです。 by wikipedia
自分の「ドーナツ」を探せ
彼は遊びもしないで、寮と授業と図書館だけを行き来する”つまらない”学校生活をしていたとスピーチで述べています。
その豊田社長がスピーチ中で、米国のドーナツについてこんなことを言っています。
私がバブソン生だった頃、自分で見出した喜びは「ドーナツ」でした。アメリカのドーナツがこんなに素晴らしく、喜びになるなんて思いもよりませんでした。
豊田社長も、ドーナツをかじりながら夜な夜な苦労をしたのだろうなと想像が出来ました。
結局、豊田社長はこの「ドーナツ」というのは、自分の喜びとなる何かの例えとして用いており、卒業生たちに自分自身の「ドーナツ」を探せとおっしゃっていました。
自分自身の「ドーナツ」。面白くてわかりやすい例えだなと感心しました。
このスピーチから学んだこと
自分はこのスピーチで以下のことがわかりました。
- 豊田社長はなかなかユーモアのある人だということ。
- クールになるのではなく、ウォーム(暖かく)になるべきだということ。
- 常に何かを学ぶべきだということ。
素敵なスピーチでしたので、よろしければ聞いてみて下さい。