kyokucho/宮田健の気分はブルースカイ:第50回 クレイジーなキャストは世界を目指す

気分はブルースカイ

こんにちは、kyokuchoです。

東京ディズニーリゾートでは、毎年恒例のアルバイト面接が行われたそうです。考えてみるとこういうのがニュースになってしまうこと自体がすごい話だなあ、と思います。参加された方たちの話を聞く限り、面接でふるいにかけると言うよりは、東京ディズニーリゾートで働くと言うことはどういうことなのかを知ってもらうための面接というもののようです。人手はどのくらいあっても足りないということなのでしょうかね(その分、単金はものすごく安いみたいですが)。

で、このイベントには特別サイトも作られており、ここではキャストになることについてのQ&Aや、特典などがかかれています。この特典をよーくみると、オリジナルイベントとして、「カヌーレース」なるものが。これはアメリカ河(地図で言うと左上あたり)の一周をタイムレースで競うもののようです。今日はこのカヌーに関するお話を。

皆さんは東京ディズニーランドの一番奥にあるアトラクション「ビーバーブラザーズのカヌー探検」をご存じでしょうか。東京ディズニーランドでは珍しく自分の力のみで楽しむものなのですが、ここのキャストはいわば素人漕ぎ手をまとめるものすごい力自慢が集まっています。実際に行ってみるとわかるのですが、基本的にマニュアルに準拠した仕事を行わなければいけないパークの中ではかなり異色の、個性が非常に光るアトラクションになっています。実際に私が見たわけではないのですが、彼らは独自に(勝手に、のほうが正しいか?)イベントをつくってしまっているそうで、今は行われているかどうか不明ですが7月3日は「七三の日」として、キャストのメンバーが頭を7:3にきっちり分けてオンステージに出てしまっているそうです(男女問わず!)。これがディズニールック的に正しいかどうかは微妙なのですが、聞いた話によると「(女性の場合)持って生まれた物以外、顔に付けてはいけません」ということはOKなのでしょうか(笑)。

そして彼らの活動はパーク内だけではおさまりません。まずは日本ドラゴンボート協会のページ、大会成績をじーっくりみてください。天神祭奉納ボンドカップ2003に、「舞浜河探検隊(千葉) 」という文字が。実はこれ、東京ディズニーランドのキャスト達が参加しているんですね。しかも2002年、2003年ともなんと「優勝」。2002年の時は現地の新聞にも載ったようで、アジア選手権にも出場したという実力派となったようです。

舞浜河探検隊は東京ディズニーランドのキャストを中心に結成されたチームとのことですが、以前紹介したピクサー社のジョン・ラセター氏の言うように「自分たちが楽しまないで、人を楽しませることなんてできない」ということを体現しているようで、このお話は初めて聞いたときに痛快に感じた記憶があります。このアトラクションはアメリカ河を自分の力で一周することを通じ、協調することの大事さと自然との一体化(といっても作られた自然ですけれども)を学ぶことのできる、世界のディズニーテーマパークでも希なアトラクションです。裏を返して言うと・・・・非常に地味。私も初めて東京ディズニーランドに行ったときから何度かこれに乗った記憶があるのですが、キャストを見ていると疲れるし地味だし楽しくないんじゃないかと思っていたら、彼らは彼らなりにFunを見つけて、自分たちの「ショー」を楽しんでいて、かつ、みんなも楽しめるものになっているということに共感を覚えました。

たぶん、彼らはわけのわからない七三分けにしてみたり(笑)と、運営側にとってはパーク内で行われる「ショー」をある意味台無しにしてしまっているのかもしれないので、やっかいな存在に見えるのではないかと思います。でも、こうやってパーク外でも活躍し、一人一人のキャストがさらに身近に感じられるようになるっていうことは、東京ディズニーランド運営側にとってもプラスなんじゃないかと思います。それに、どこかの会社もいってましたよね、常識からはみ出すようなクレイジーな人だけが、本当に世界を変えることができる、って。彼らは単なるライセンス利用の運営会社から、日本独自のパーク運営のカタチを作り出すような原動力を持ったすばらしいキャストなのではないかと思っています。先のアルバイト募集のニュースをみて、そんな素質のある人がどんどん東京ディズニーリゾートに集まると言うことを期待しました。私は舞浜河探検隊を陰ながら応援しています。がんばれ!

では!

(kyokucho/宮田 健)

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